表では話せない KARADA factory さんの台湾 V字回復の裏側
みなさんこんにちはapplemint lab 代表の佐藤です。
僕らは KARADA factory さんとお仕事を始めて早3年半経ちます。忘れもしない、あれは2018年の4月頃でした。あの頃の僕らは案件らしい案件はなく、単発の仕事で食い繋いでいました。
収入の8割は翻訳、2割はウェブマーケみたいな時代です(苦笑)
そこへ KARADA factory さんから突然お問合せが来ました。後日日本から台湾に出張していた KARADA factory の役員の方と台湾の代表者と少し怪しげなカフェでお話をしたのを覚えています。
そのカフェで色々とお話をした後、何がきっかけかはわかりませんが、KARADA さんの役員の方が僕を気に入ってくれたようで、そこから協業が始まりました😭
その頃 KARADA factory さんはデジタルらしい事は特にしておらず、本当にゼロからのスタートでした。当時の経営状況は芳しくなかったようで、起死回生のためデジタルに本腰を入れることになったというわけです。
意気揚々とデジタル広告のお手伝いをした僕らですが、僕らも最初の1年は中々結果が出ずに苦しい時期を過ごしました。しかし2年目から快進撃が始まります。KARADA factory さんの事はよくブログや動画でも話していますが、このブログでは改めて KARADA factory さんの快進撃の裏側で何があったかお話をしたいと思います。
今現在KARADA factory さんは軌道に乗ってすでに3年が経とうとしています。台湾に進出した多くの企業は最初に調子が良く徐々に売上が縮小する中、KARADA factory さんはコロナがあったとはいえ、それなりに売上を保っています。
なぜか?そこにはちゃんと理由があります。このブログは今から台湾に進出して事業をしようと考えている企業や、今台湾で売上がピークを迎え縮小を始めた企業の参考になると思っています。
すぐに結果が出ないのはわかっていたけど….
まずは数万元でとりあえずウェブ広告を始めました。台湾にいる日系の会社さんの多くは始める前にシミュレーションやらプランやらを僕らに求め、結果的始めるまでに2ヶ月ぐらいかかる場合が多いです。
KARADA さんは違いました。とにかくスピードを重視しました。そして僕はこれが正しかったと思っています。
KARADAさんの強みはマッサージと違って、骨盤の調整を通して体を根本から改善するコースがある事や、ストレッチや0字改善のコースなど豊富なサービスの種類です。
当時は「体を根本から変える」などと訴求していたのを覚えています。しかし最初は本当に中々結果が出ませんでした。費用対効果も決していいものではありませんでした。
女性目線が鍵となった
その後 KARADA さんを新しく入った弊社の女性スタッフに任せたところ、彼女が女性視点でバナーの訴求を変更し始めました。これが改善につながっていきます。今考えると当たり前なのですが、Facebook 広告やインスタグラム広告で購入する大半の消費者は女性です。
僕が担当していた時には、女性からの視点が欠けていました。僕は「体を根本から改善するという」男性も女性も大事なターゲティングが曖昧な訴求だったのに対し、彼女は「小顔」や「美脚」に予算を集中させました。
その結果、女性から「小顔コース」や「足のコース」の予約がどんどん入ってきました。
- ポイント
台湾でウェブマーケティングをする場合、30代の女性が好きなサービスが効果を得やすいです。
デジタル広告が軌道に乗り余裕が生まれたことで、短期的、中長期的、長期的と計画を立てることができました。以下は僕らが掲げた計画です。
- デジタル広告の効率を上げる(短期的)
- デジタル広告の効率を上げるにはウェブサイトの改善が不可欠(短期的・中期的)
- これらを達成したら、ECサイトを構築し、実店舗だけでなくECサイトからも売上を増やす
デジタル広告は引き続き取り組みつつ、予約率を上げるためにウェブサイトのリニューアルは絶対必要だと思っていました。この当時のKARADAさんのウェブサイトはデザインが古く、女性から見てあまりいいルックスではなくとても予約がしにくいものでした。
ウェブサイト改善のポイント
今回特別に僕らがウェブサイトをご提案したときのご提案資料をお見せします。
流石にKARADA さんの色々な数値をお見せすることはできませんが、KARADA さんのサイトを分析した結果、いくつかわかった事があります。
- 予約はほぼ電話
- 価格ページを独立して作ると消費者はコース内容を見る前に価格ページに飛び、価格を見て離脱しているケースが多数あった
- 各コースの詳細がわからなかった
そこで、新しいサイトは「予約」ボタンを押すと店舗ページに飛ぶようにしました(今までは予約フォームページに飛んでいた)また、店舗ーページの各店舗の電話番号をクリッカブルにしました。
また、今まで独立していた価格ページをコースページの中に入れ必ずコースの内容やベネフィットを見た上で価格を確認させる仕組みにしました。
この結果、予約数は飛躍的に伸びました。
今後台湾に来て長期的な成功をおさめるためのたった2つの事
その1. 中国とアメリカ進出を成功させている Kdan の CEO が語る「3年」
以前コチラのブログで台湾で割と有名なスタートアップ Kdan の CEO との対談からの学びをご紹介しました。その彼が日本進出に際して話していたのが、「とりあえず3年は我慢する」でした。
本当に3年も待つの?って思いますよね?僕らは Kdan とお仕事を始めてもう1年経ちましたが、少なくとも1年は待っています。彼らは「3年」を見据えて、早い段階からコンテンツの制作を弊社に依頼してきました。
コンテンツは広告の規制が厳しくなる現代において必要不可欠なのですが、いかんせん単期的に結果が出ないため、台湾に進出した日系企業の多くはしません。
台湾に進出した多くの通販企業や越境ECを始めた企業は広告を投下したらすぐにコンバージョンを求めます。3年待つ会社なんていません。
みなさんは「3年間」種まきして、4年目から収穫するマインドで海外に進出してますか?ちなみにKARADA さんはさも2年目に結果が出始めたみたいに見えますが、Youtubeやブログ、インスタのコンテンツ制作を早い段階から始めて結果が安定し始めたのは3-4年目です。
その2. コミュニケーションはプロに任せる
バナーや広告文、ウェブサイトのコミュニケーションに口を出す広告主がとても多いのですが、僕はこの行為をあまりお勧めしません。そんなにバナーや広告文に不満があれば、広告代理店を変えればいいと思います。
これは制作物にフィードバックをするなという意味ではなく、過度に広告代理店のコミュニケーションを変えない方がいいという意味です。
KARADA factory さんは僕らのコミュニケーションに口を挟んだ事はほぼありません。僕らは女性目線を意識したコミュニケーションを心がけをし、なんと KARADA factory さんのコース名まで変えました。
例えば僕らは KARADA さんの「BLTコース」という名前を「美脚コース」に変える事を提案し、彼らは受け入れました。ここだけ見ると、「美脚コース」の方が良さそうなのは一目瞭然ですが、商品名やサービス名を広告代理店に変えさせる広告主は中々いません。
そのほかにもいくつかコース名を変え、できるだけ「女性」がわかりやすいコミュニケーションを心がけました。
僕らはウェブサイトの分析と Facebook の広告のデータを基に、台湾人女性の目線でコミュニケーションをすることを意識して売れました。コミュニケーションで売上は変わります。
一方で失敗している企業の多くはコミュニケーションを自分達でしようとします。例えば以下のような会社は台湾ではうまくいってません:
- バナーの費用やコミュニケーションの費用を節約するため自分達でバナーを作る会社
- 「バナー」を作る事が目的になり、バナーを量産するもコミュニケーションが疎かになっている会社
最近 Canva やアプリで素人でもプロ相応の「ルックス」のバナーが作れます。だからといって自分達でバナーを作ると、デザインはすごいけどコミュニケーションが雑なバナーができます。最もわかりやすいのは「機能」訴求です。
品質が均一化する現代においては機能で勝負をすると、消費者は同じ機能でより安い会社の商品を選ぼうとします。みなさんも同じ機能のシャンプーが2つ並べられてあった時、一方が10円でも安ければ安い方を選んじゃいますよね?
コミュニケーションは絶対に自分達でしない事を僕は強くお勧めします。
以上 applemint lab 代表の佐藤から、KARADA factory さんの台湾成功の裏側でどんな事を僕らがしていたかでした!