色々なツケが回ってきた今日この頃

2026年も残すところ、あと4ヶ月ぐらいになってきた。
2026年をここまで振り返ると、色んなツケが回ってきたことを感じる1年になっている。
別にサボっていたわけじゃない。けれど、どこかで少し余裕が生まれていたのは事実だ。
台湾で起業して、2026年の9月で10年目に突入する。
長くやればいいってわけじゃないが、これだけ長くいると、本当にありがたいことに紹介が増え、正直、紹介だけでそこまで営業しなくてもよくなる。
そうすると、余裕をぶっこき始める。
自分の中ではそんなつもりじゃなかったのだが、振り返ると絶対にそうだった。
そして、僕らみたいな雑魚中小企業はそれだと死ぬ。
僕の営業方法でアウトプットを止めたら死ぬ
僕の営業スタイルは少し独特で、いかに狙っている相手に注目してもらえるかだけを考えてやってきた。
僕自身、適当に話しかけられることをあまり好まないため、営業する時もそのスタイルが反映されている。
仮に僕自身をN=1とし、僕が僕に営業された時に嫌なのが、何もないのに急にコンタクトされることだ。
だったら、嫌でも向こうが僕を気にかけるようにすればいい。
そうやって始めたのが、SEO対策(ブログの発信)であり、YouTube動画だった。ターゲットとデジタル上で接触して、「お、誰だこの人?なんかいいな」と思わせたら僕の勝ちだ。
ターゲットは台湾ビジネスに興味がある日本人や日系企業だから、再生回数よりも、特定の人にとって情報が有益であればいいと思っていた。
その結果、再生回数はしょぼいけど、見てほしい人には見られるような動画が出来上がった。
このやり方が絶対に正しいとは思っていない。営業のやり方は十人十色だ。ただ一つ言えることは、営業は、”結果”を出さなければ意味がない。
僕は、デジタル上の発信を通じて結果を出してきた。
そんな僕が、2026年は情報発信となるYouTube動画の更新を止めてしまった。
今まで何があっても毎週1回は動画を更新していたのに、気づいたらその頻度はどんどん適当になっていた。
理由は簡単だ。やらなくても会社が回っていたからだ。
ただ、確実に言えることが一つある。僕の営業スタイルで、アウトプットをせずに、コンタクトも取らなければ、何も起きない。絶対に。
2026年前半
2026年前半は、すべてが順調に見えた。お客さんは増えたし、一時的に利益も増えた。
僕自身、起業して9年目になって、やっと心理的にも経済的にも安定してきたことを感じていた。
こういう言い方をすると反発を喰らいそうだが、欲しい物を見た時に値段をそこまで気にしなくてもよくなっていた。
そんな自分を客観的に見て、「すげー」と感じてもいた。
ホテルだって移動手段だって、ある程度自分で選べるまでに、いつの間にかなっていた。
余談だが、僕が日本出張中にDormy Innにこだわるのは、庶民ぶりたいのではなく、マジで睡眠を最優先しているからだ(まー最近Dormy Innは全然安くないが..)
Dormy Innは部屋によってAirweaveかシモンズのマットレスだが、どちらも身体が覚えているし、枕の高さがどんぴしゃりだ。
サウナがあまり得意じゃない僕がサウナに入って冷水に浸れば、疲れて強制的に寝られる。
Dormy Inn に泊まり始めてから、出張中に寝れないってことがなくなった。
東京だけ宿代が少し異常だが、会社が規定する費用を超えようと、はみ出た分を自分で出してでも絶対にDormy Innに泊まる。
話を戻すと、2026年前半の会社の業績アップは表面上の話で、現場レベルでは全然違うことが起きていた。
AI生成によって、デザインで高単価を求めるのが難しくなっているし、僕らのターゲットである中小企業は、リソースや資金が限られているからこそ、AIを使って自分たちでやろうとしている。
競争環境もどんどん厳しくなっている。
2017年に台湾で起業した当時は、台湾ビジネスなんて、せいぜいいくつかの日系企業が台湾に進出してやっているか、日本の会社が遠隔で片手間にやっていた程度だ。
それが今では、小さなところから大きな会社まで台湾に進出している。
競合企業の間でパートナーシップや買収の話も盛んだ。
僕は、誰かにコントロールされたくて起業したわけじゃないし、会社を売って大金持ちになりたくて起業したわけでもない。
だから、これまで出資や買収の話には消極的だった。
出資や買収の話が来ても、「へっ、お前らの助けなんかいらねーよ」みたいな感じだった。
こうして自分のスタイルや信念を貫くのは、外野から見ると一見カッコよく見える。
けれど、これを貫くためには、したたかな努力や計画が欠かせない。
それをしないでカッコつけて「俺は〇〇の出資の話を断ってやった」と言っても、誰も救えないし、何もカッコよくない。
何かがやばいと気づいたのは、先月くらいからだ。
お客さんの離脱
日本のお客さんは、面と向かって直接何かを言うことを避ける傾向がある。だから、日々の業務でいかに相手の意図を汲み取るかが大事になる。
「あれ、なんかこの案件の依頼頻度が減ったぞ」と感じたら、裏では着々と別のプランBが進んでいる可能性が大だ。
例えばあるお客さんは、最近僕らへのクリエイティブ制作の依頼を控えるようになった。
会食時に代表者にそれとなく会社の近況を聞いたら、AIを活用して自分たちで作るようになっていたことがわかった。
AIで作った方がコストはかからないし、スピードも速い。
もちろん、AIデザインは見る人が見たらツッコミどころ満載なのだが、お客さんはそういう細かいことは気にしない。
お客さんの中で「あ、自分たちでもできるじゃん」とか「applemintにお願いしなくても結果出るじゃん」という感覚が積み重なって、最終的に解約という話になる。
初月から「結果が出ないぞ!どうしてくれるんだ!解約だ!」なんてお客さんはいない(本当に一部いたが..)。
だから、担当者はこうした些細な変化に敏感である必要がある。
最近、僕らのお客さんに起きている変化や不満をまとめると以下の通りだ。
・お客さんの新規顧客が減っている
・自分たちで SNS 運用をすることにシフト(AI でクリエイティブ生成)
・動画費用に対する疑問
・サーバー費用に対する疑問
・アウトバウンドコールに対する追加費用請求
・KOL/KOC 依頼の減少(一部不満)
・広告予算減
・クラファンを他社に依頼
などなど
実は、こうしてリストにして可視化すると、今うちを解約する可能性のある企業が、平気で5〜6社ぐらいいることがわかる。
恋人もお客さんも、相手の微妙なサインを意識せずに見逃し続けると、いずれ別れる。
僕らの経営基盤は決して安定していないが、これがなかなか伝わらない。
ただ、それで諦めるんじゃなくて僕の伝え方が悪いなら、何度も言えばいい。
切り替えと期待しないことは、起業9年を通じて僕が散々学んできたことだ。
能ある鷹は爪を隠す!?
僕の好きな言葉に「能ある鷹は爪を隠す」がある。
僕の先輩経営者はまさしくこれを実行していて、彼は決して表には出ない。
やっていることはシンプルな販売代理業なのに、台湾にある日系小売店はほぼすべて押さえているし、人脈もあるから、日系企業は誰も彼をすっ飛ばして台湾で商売ができなくなった。
気づいたら自分が市場をコントロールしている、みたいな話は知的で大好きだ。TSMCも、下請けという一見すると弱い立場から、今では彼らが市場をコントロールしていると言っても過言ではない。
僕自身、発信は嫌いじゃないが、ものすごく目立ちたいかというと、そうじゃない。目立つと普段の生活がとんでもなく不便になると思う。敵も増える。
じゃあ発信を控えるかというと、それをしたら僕の営業スタイルでは会社は死ぬ。
僕に限らず営業は、絶対に有益なアウトプットをするか、相手の課題に沿ったアプローチをする必要がある。
会社は意外と死なないが、その気になれば一瞬で殺せる。マジで。
面白いことに、会社に恨みを持つ従業員が「この会社死ねー」と思っても、その会社はなかなか死なない。
けれど、「とりあえず楽して、そこそこやればいいか」と思って安定に浸っている企業が、一瞬で死ぬことは十分あり得る。
7月末に日本から戻ってきてから、危機感からとにかく人に会って接触を増やしたら、一部が実になってきた。
とにかくコンタクトや会食の数を打って、発信頻度を増やす。