人生の適切な時間配分とターゲティングの誤解

みなさんこんにちは、applemint 代表の佐藤 (@slamdunk772) です。
みなさんの旧正月休みはいかがでしたか?
僕は早々に風邪を引き、その後1週間経っても治ってないです…😲
歳をとるほど風邪が治るのってなんだか遅くないですか?
幸いにも熱はほとんどなかったので旧正月中は基本的に家で本ばかり読んでいました。
そこで今日のこのブログでは、みなさんに僕が旧正月中に読んだ本の中から、「この情報は知っていると役に立つんじゃないか?」と思うインプットを厳選してお伝え出来ればと思います。
戦略的な時間配分とは?

今回読んだ本の中で一番収穫があったのは、山口周さんの『人生の経営戦略』ですね。
先日のブログや Facebook の投稿でも少し触れました。
この本では、Well-beingを維持するためには、人生を戦略的に考え、時間を適切に使うことが必要 だと説いています。
Well-beingについて、僕の解釈では「精神的にも経済的にも安定した状態」を指しますが、本書では具体的に以下の3つの要素を満たした状態だと述べています。
- 自己効力感(自分が誰かの役に立っているという実感)
- 社会的つながり(職場や取引先から信頼されているという実感)
- 経済的安定
また、本の中で特に印象的だったのは、オーストラリアのホスピス(介護施設)で働いていた方の話です。
彼によると、死が近い末期患者の多くが共通して 「あんなに働かなくてもよかった」 と後悔しているそうです。
先日のブログで 「好きな仕事をしている実感はあるものの、年々仕事の意義を見出せなくなっている」 という話を少ししました。
もちろん、自分の好きな仕事ができるのはとても恵まれたことですし、多くの人は 「ライスワーク(生活のための仕事)」 をしながら自分を騙し続けているのが実態でしょう。
そんな僕でさえ 「仕事の意義って何だろう?」 と考え始めていたタイミングで、このホスピスの話を読んだので、とても考えさせられました🙃🙃
そして次に本で語られていたのが、Well-beingな状態になるための方法でした。具体的には、どのように配分すればいいかということについて語られています。
以下は本からの抜粋です:

参考:山口周『人生の経営戦略』
まず、人はキャリアを構築する際、何の資本も持っていませんが、唯一、有り余る「時間」を持っています。これを著者は「時間資本」と呼び、その時間資本がどのようにしてWell-beingにつながるのかを、このグラフで説明しています。
以前、別のブログで「起業8年目にもなると、さまざまな”紹介”がある」という話をしました。こうした紹介は人的資本の上に成り立っており、人的資本を形成するためには、知識・スキル・経験が不可欠です。
人的資本を築かずに異業種交流会に参加しても収穫が少ないのは、その背景にある人的資本が乏しいからです。また、人的資本や社会資本をすっ飛ばして、いきなり現金を追い求めるのも非効率です。
仮に株式投資で成功したとしても、それを再現できるとは限りません。なぜなら人的資本や社会資本が欠けているからです。
このように、時間の使い方が言語化されると、どう時間を使うべきかが明確になる気がします。20代や30代の人が読むととても参考になる気がします。
本書では、そのほかにも年齢に応じた時間の最適な配分についても書かれています。興味があれば、ぜひ読んでみてください!(あ、アフィリエイトでもPRでもないですよ!笑)
自分が幸福である状態を理解する

次にご紹介したいのが、主に発酵に関する本を執筆している小倉 ヒラクさんの『自分の運命は、他人が決める。』という本です。
彼がどのような経緯で発酵に興味を持ち、発酵に関する発信を始めたのかに興味があったため、この本を読んでみることにしました。そこで分かったのは、彼が良くも悪くも楽観的にキャリアを築いてきたことです。
もともと漠然とイラストやデザインの仕事をしたいと思っていた彼は、いろんな人に誘われるがままにイラストやデザインの仕事をこなし、気づいたら生態系やエコシステムに関する研究や仕事を始めていた、というオチでした。
もし山口周さんが彼の経験を基に人生の最適な時間配分を提唱していたなら、小倉ヒラクさんはその真逆というか、その時のご縁や流れに身を任せながら仕事を受けていくうちに、勝手に自分のキャリアが形成されていった点が面白かったです。
僕はとても真似できませんが、彼のように周りの流れに乗っていたら、気づいたら今のキャリアになっていた、という感覚は少し理解できます。
この本の中で彼が話していたのは、「自分にとって最低限どういう状態が幸せなのか分かれば、それさえ満たされれば十分じゃないか」という考え方でした。例えば彼の場合、自分の実家で本を読んでいるような状態が十分幸せらしく、そこから逆算して「その生活をするために最低限何が必要なのか」を考えているそうです。
自分の最低限の幸せが分かれば、仮に食いっぱぐれても、その幸せを確保できる状態であれば問題ないと考えられる(極端な家庭環境や境遇でない限り)。そうすると、自然と心が楽になり、楽観的になれるということでした。
個人的に、人が負の感情を抱くのは、自分を他者と比較するからだと思います。比較さえしなければ、そもそも負の感情は生まれない。でも、それを現実世界で実践するのは難しい。
ならば、自分にとって何が幸せなのかを最低限理解しておくことで、その最低限の幸せが得られている状態なら、他人と比較する必要すらないのかもしれません。
ターゲティングの誤解
最後にマーケターの森岡毅さんが最近出された『確率思考の戦略論 どうすれば売上は増えるのか』についてご紹介します。
個人的には、『確率思考の戦略論 USJでも実証された数学マーケティングの力』を読めば新しい本はそこまで読まなくていい気がしました。
そんな補足的な話の中で、ひとつだけ皆さんに伝えたいことがあるとすれば、それはターゲティングに対する誤解です。
この本の中で著者が語っていたのは、「ターゲティングを狭くすることは、資源が限られている際に最も効率よく目的を達成するためのきっかけにはなるが、不必要に狭めてはいけない」ということでした。
僕の中で「ターゲティング = 狭める」という理解だったので、これは反省しました。
情報が溢れ、ホームラン商品を生み出すことが難しくなった現代では、マスよりもミクロにアプローチする考え方が一般的になっています。ただビジネスには成長が求められる以上、必要以上にターゲットを絞る必要は全くない、と著者は述べています。
例えば、僕たちは現在「デジタルマーケティング」という括りでさまざまな発信をしていますが、デジタルマーケティングはマーケティングの一部に過ぎません。
もしかしたら、「デジタルマーケティング」と限定して発信を続けることで、本来対応可能な「マーケティング全般」を求めている顧客を逃してしまっている可能性がある、ということです。
ただ、僕自身はリソースが限られている中で、「デジタルマーケティング」や「台湾にある日系中小企業」とターゲットを絞ったのは正解だったと思っています。
そのため、この本の内容は、ある程度リソースが確保できる大企業向けの考え方なのかな、という印象を持ちました。
その他
現在、醤油に関する本を読み漁っています。知れば知るほど、全種類集めてさまざまな料理に使ってみたくなります。
また、台湾の醤油の種類や、それぞれの醤油に合う料理にも非常に興味があります。
これまで読んだ醤油の本の中で、一番わかりやすく、情報が網羅されていると感じたのは、『醤油本』ですかね。
全国各地の醤油の特徴や醤油の種類をイラスト付きで雑誌みたいに紹介しているので、かなり読みやすいです。
ちなみに僕はこの本の中に出てくる『醤油職人』というお店に行って、醤油に興味を持ち始めました。
松屋銀座のB2にもありますが、いつかは前橋の本店にも行ってみたいと思っています。福岡にも醤油専門店があるので、まずはそちらに行くのが先かもしれません(4〜5月に福岡や愛知に行く予定です)。
みなさんも風邪には気をつけてください!