お金で観光客を釣る台湾と、文化で観光客を釣る韓国と日本

みなさんこんにちは。applemint代表の佐藤です。

先日、端午節の連休に1年ぶりに韓国へ行ってきました。
やはり、いつも見慣れた場所や旅慣れた場所ではなく、新しい場所を訪れるのはいいものですね👍

Uberを開いてタクシーを呼ぼうとしても、なかなかドライバーとマッチングしないとか、食事はデフォルトで常にキムチがあるとか、そんな小さな事でさえ、何かしらの学びや発見につながる気がします。

そんな韓国に僕が行く数日前に、台湾の観光局が大胆な施策を打ち出しました。

なんと、条件を満たす旅行客に5千台湾元(約2万5千円)相当、同行者に3千元(約1万5千円)相当の特典を計画しているそうです😳

観光署、台湾リピーター優遇措置を検討 同行者と合わせ約4万円相当 日本重視の姿勢も

おそらく全員がもらえるわけではありませんが、それでも合計 8,000NTDはなかなか大きな金額です。

台湾は以前にも旅行者向けに、抽選で5,000NTDプレゼント(厳密には悠遊カード5000NTD 分) みたいなキャンペーンを実施していましたが、このような“ばらまき施策”を今年もやったってことです。

僕が思うに、このキャンペーンをして嬉しいのって、そもそも台湾が好きでリピートする人であって、台湾が本当に狙わないといけないのは、新規です。

ばらまき施策の背景に何があるかは知りませんが、中長期的にはほとんど意味がないでしょう。

一方で、韓国や日本はこうした施策を打たなくても、観光客数は順調に増加しています。そう考えると、なんとも皮肉な話です。

今回のブログでは、韓国旅行を通じて感じた「韓国と台湾の違い」についてお話ししたいと思います🫡

リウム美術館の存在

今回の韓国旅行では、「食べること」をテーマにしました(というか大体いつも😅)

食べること以外の予定はほぼ入れず、唯一リウム美術館に行くことだけを決めていました😅

リウム美術館にだけは行こうと思った理由は、せっかく韓国に行くなら美術館かギャラリーに行きたいと思い、ギャラリーのディレクターをしている兄におすすめを聞いたところ、「リウム美術館はマジでおすすめ」と言われたので行ってみた感じです。

結論から言うと、行って大正解でした。

さすが餅は餅屋。

場所は、東京でいう代官山のような場所で、ソウルの漢南(ハンナム)ってエリアです。
あ、代官山っぽいって勝手に言っただけで、実際は全然違うかもしれません。

周囲には、神戸の芦屋のような、いわゆる富裕層が住んでいそうな家が立ち並んでいます(芦屋に行ったことはないが😄)。

事前に調べたところ、どうやらリウム美術館はサムスン文化財団が運営しているようでした。

中に入ると、思った以上に多くの人がいて、欧米系の人もいればアジア系の人もいました。

客層はなんだか台湾の故宮博物館と似ています。
故宮博物館も中に入ると、「あなたたち台北のどこにいた?」って思うぐらい欧米系や華僑、韓国人/日本人がいます。

あと印象的だったのが、音声ガイダンス用のデバイスがサムスン製のスマートフォンだったことです。
さすがサムスン、しっかりプロモーションしています。

ただ、今時AI があるので、僕と妻は基本気になる展示物があれば写真を撮ってその都度AI に聞いて、展示物が出来た時代背景や形状の理由を楽しみました。

正直コレクション数だけで比較すると、台湾の故宮博物館が圧倒していますが、展示の見せ方や建築物を含めて非常にレベルが高いと感じました。

あと、意識的かはわかりませんが、館内にはインスタ映えするスポットが随所にあり、若い人たちがよく写真を撮っていました。

故宮博物館の場合、こうした「みんなが写真を撮る場所」は館内よりも屋外に多い印象です。その点では、故宮博物館もまだ工夫できる余地があるかもしれません。

台湾に出来ないリウム美術館

リウム美術館は3つのセクションに分かれていて、一つは韓国の昔の陶磁器や作品を展示する場所、もう一つがインスタレーション、そして最後が参加型作品みたいな感じでした。

インスタレーションに関しては、個人的にしっくり来ませんでしたが、コレクションと参加型の展示はよかったですね。

参加型の展示は、子どもも楽しめる仕組みになっていて、家族連れが多かったです。

多分1時間近くいたと思うのですが、歩いている時に時ふと、
「台湾で企業の財団がこんな感じで美術館とか運営しているケースってあるのかな?」と思いました。

AI に聞いてみたら、ほぼありませんでした…唯一は奇美博物館。

僕自身、奇美博物館にはポケモンGO のフェスで8年ぐらい前に行ったきりで、その時の印象は、なんか綺麗でとても整備されたすごい博物館だなーって感じです。

実はポケモンに夢中になりすぎて、ちゃんと見れませんでした…

韓国ももしかしたらリウム美術館以外は事例がないかもしれません。

そもそも、サムスンの財団がこうした美術館を作るのは、企業のイメージアップも影響しています。

建築界のノーベル賞的なプリツカー賞を獲ったことがあるレムコルハースというオランダ人が建築していることもあり、今では美術館自体が観光スポットになってます。

一方の台湾では、TSMC が UMC など AI ブームに乗って現在アホみたいに儲けている半導体企業が文化事業をしていますが、
リウム美術館のような私立美術館ってなると、強いていうなら奇美博物館になります。

そもそもこうした半導体企業は、私立美術館を作った所で、あまりメリットがなく、代わりに半導体科学館みたいなのを作ってます。名前は、TSMC Museum of Innovationです

……

誰が行くの?って感じです😅

少なくとも観光客は誰も行かないでしょう。

TSMC は善意でやっているので、TSMC を責めることはできませんが、なんか台湾は政府主導にしろ企業主導にしろ、この辺の文化施設を作るのが下手な気がしています(奇美以外)。

文化への投資なしに人は来ない

「文化」をどう定義するかは人それぞれですが、今回僕が韓国を訪れたのは、韓国の「食文化」に惹かれたからです。

台湾を訪れる多くの人も、台湾でしか味わえない「食文化」に魅了されていると思います。

人が観光に行く理由は、多くの場合、その国ならではの文化やユニークさに惹かれるからです。

現金4万円がもらえるからといって、興味のない国へ行く人はそう多くありません。

じゃー、台湾ならではの文化や魅力とは何か?

例えば玉山。富士山より高く、東アジア有数の山であるにもかかわらず、富士山ほどの知名度はありません。

ニッチかもしれませんが、登山客にとって最高の環境を整え、「登山といえば玉山」と連想されるようにした方が、4万円を配るよりよほど効果的だと思います。

また、台東の東河は東アジア有数のサーフィンスポットとして知られていますが、こちらもまだ十分に認知されていない印象です。

食文化を強化するなら、夜市への投資を増やし、衛生面を強化したり、「夜市版ミシュラン」のような仕組みを作ったりするのも面白いかもしれません。

あと、民間企業の中で、奇美博物館のように私立で圧倒的なレベルの文化施設を作るような会社が出てきたらもっと台湾の観光に発展するのになーっていつも思っています。

あ、ちなみにこうした施設や事業はほとんど儲けが出ないと思います😅

今回、韓国へ来る1〜2日前に観光客向けの現金給付施策のニュースを見て、韓国に来たわけですが、改めて「これじゃー日本人に台湾より韓国が選ばれてしまうよなー」って思ったものです。

韓国のソウルでは、リアルに台北の中山にいる時より数倍の日本語を聞いた気がします。

『Artist Bakery』 のブランド化

最後に、韓国で立ち寄った「Artist Bakery」ってパン屋さんの話をします。

宿泊先のドーミーインから徒歩10分ほどの場所にあり、検索すると有名店のようでGoogleの評価も高かったので行ってみたのですが、めっちゃよかったです。

店内は朝から満席で、半分以上が日本人女性だった気がします。

名物は「塩パン」です。

ある台湾人観光客は電話を片手に誰かの代理購入をしていました。もしかして、パンを買って台湾へ持って帰るかも?😄

僕も思わず4個ほど買って帰りましたが、インスタ映えするのはもちろん、かなり美味しかったです。

そんな Artist Bakery ですが、店内にはグッズも販売されていて、この辺のグッズのレベルも高かったです。

とにかくブランド作りがうまいパン屋さんって印象を受けました。

この辺はグッズを通じてお金を儲けるっていうよりは、グッズを通じて常に消費者と接触したいが故に、グッズを販売しているんだと思います。

この辺は日本のお店も上手な気がしますが、台湾のお店はまだまだな気がします…

次回は釜山に行きたいなーと思ってます。

以上、applemint 代表佐藤からでした!