台湾の内装とデザインの歴史を紐解きながら探る、台湾人のデザインに対する現在地

みなさんこんにちは、applemint代表の佐藤です✌️

今日は台湾の内装とデザイン史の関連性についてお話をしたいと思います。

きっかけは、妻と一緒に見ていたあるYouTube動画です。

僕が不動産のクライアントを担当している影響なのか、最近YouTube を見ていたら、表参道付近にある某高級マンションの紹介動画が流れて来ました。

気になったのでポチって見ていたら、彼女と「思ったより狭いね…」とか「バルコニーは広いね」とかって話になりました。

そしたら彼女が急に、「でも内装はすごくモダンでいいと思う。台湾の内装はやばい…」みたいな話から、
最近台湾の有名YouTuber、Joemanが台北101近くにある高級マンションの内部を初公開した動画の話になりました。

僕もその動画を見たのですが、まあ、色々と思うところがありました👍

なので、今日は台湾のマンションの外観や内装にフォーカスして、それとデザイン史を照らし合わせるというよくわからんブログを書こうと思います✌️

台湾のヴィクトリアン様式の内装と過剰な高級食材の使用関連性

台湾の新築マンションの外観を見るといつも思うのが、「なんだか大げさな装飾だなー」ってことです😄

あ、これは僕の個人的な感想なので、気分を害した方がいたらすみません🙏

まるで、権力やお金を誇示しているような誇張した装飾が多い印象です。

ちなみにこれらのマンションは南京復興で撮ったものです。東京でいう千代田区みたいな所です。

噴水いるか…?😅

ザ・台湾なマンション

アパートと新築マンションの落差よ…↓↓↓

こうした派手な装飾は外観だけかと思いきや、内装もけっこうこんな感じの派手なものが多いんですよね。

所謂新築マンションの内装って洋式の家具が使われることが多く、シャンデリアとかもある感じです。

キャビネットもただのキャビネットではなく、複雑な装飾が施されているみたいな…

実際どんな感じか気になった方は、先ほど載せた YouTube の動画をご覧ください。

あと、Joemanの動画を見ていてすごく気になったのが、
事あるごとに「これはめちゃくちゃ高い家具です」とか、「めちゃくちゃ高いアートです」とか、「有名ブランドのピアノです」
とか言っていたことです。

まー視聴回数のためなんでしょう😁

あ、それは日本も一緒か…

最近台湾に住んでいてよく思うのが、なんか台湾の人って「高い/高級=良い」って安易に考えすぎてないか?ってたまに思います(まー日本人もそうですが…😅)

最近ハンバーガー祭りで出された「トリュフ・キャビア・和牛バーガー」とか典型的な例です。

参考:今日開跑!圓山花博「漢堡市集」限時2天登場,6公斤巨人堡、米其林龍蝦堡必吃亮點一次看

有名シェフが作るので、もちろん美味しいとは思いますが、高級食材を使えばいいってもんじゃないでしょ…って思ってます。
大事なのはコンビネーションです。

このことを改めて痛感したのはつい最近です。

先日、カバランの工場見学に行きました。
ガイドの後に、自分の好きな比率でウイスキーを混ぜて楽しめるDIYウイスキーコーナーがあって、そこで4種類のウイスキーを試飲しました(ウイスキー得意じゃないのに😅)。

そのとき、いわゆる高級の部類に入るワイン樽とフィノシェリー樽のウイスキーを混ぜて飲んだら、ぶっちゃけ僕は個人的に全然美味しいと思いませんでした…🤮

なんかお互いがぶつかり合って、味がくどいウイスキーになった気がしたんですね…

あと、カバランってすごくて、ギフト用に試験管みたいな 50ml のウイスキーもあります。

せっかくなんで少し高いやつの50mlバージョンを買って、家に帰って炭酸水で割ってハイボールにしてみたら、これも個人的には微妙でした。

正直、角ハイの方がよっぽど美味しいと思いましたね。

何が言いたいかというと、高級なもの x 高級なもの = 2倍美味しいってわけじゃないし、
高級なウイスキーが必ずしもハイボールとして成立するわけではないって事です。

安くても高くても、結局大事なのはコンビネーション、飲むシチュエーションです。

先日社内でスタッフに共有したこのストーリーはまさに本質をついている気がしました:

「マックのコーヒー」と「コンビニのコーヒー」の決定的な違い【世界一のバリスタが解説】

読むのが面倒な方のために要約すると、マクドナルドのコーヒーを監修することになったバリスタが、実際に店舗でお客様を観察したところ、想像以上にバーガーとコーヒーを一緒に楽しむ人が多かったそうです。

一方で、コーヒーだけを注文し、店内でゆっくり過ごす人も少なくありませんでした。

そこで彼は、バーガーとの相性が良く、さらに時間が経っても味の変化が少なく、冷めてもおいしく飲めるコーヒーを目指して開発を進めたそうです。

ハイボールだって、ウイスキーを高級にすりゃいいってわけじゃありません。

むしろ自分のお店のメニューには角ハイが一番合うかもしれません。

Joeman が紹介した台湾のマンションの内装を見ていると、個人的にただ高いものを置いているように感じてしまった自分がいました…

あ、動画では、ジャコメッティみたいな彫刻がめっちゃ置かれていましたが、個人的にジャコメッティは好きです✌️

デザインの歴史

じゃーなんで台湾のマンションの外観や内装がこうなったかって、世界のデザイン史に照らし合わせると、なんとなくわかる気がします。

デザイン史が本格的に登場するのは、産業革命時のアーツ・アンド・クラフツ運動からです(1880年代)

この時、何が起きたかというと、イギリスが世界の覇権を握り、多くのイギリス人が裕福になったんですね✌️

いきなり裕福になったイギリス人が何をしたかというと、自分の家を金持ちっぽく見せようとしました。

家の内装を、フランスの貴族や富裕層が用いたロココ調のデザインや、装飾の多いルネサンス様式の家具にしたんですね。

「僕も金持ちに見られたい!今お金ある!」って誇示しようとしたわけです。

以下はロココ調と呼ばれる家具です:

そして以下はルネッサンス様式の家具です:

台湾に住んでいる方は、この内装見て何か思いませんか?

「ロココ調は一部台湾っぽい!」って僕は思いました。

従来、こうした装飾が施された家具は職人の手作りで、かなりお金がかかりました。
でも、工場の発展により、より安価でそれっぽいものが作れるようになりました。

その後、イギリスではウィリアム・モリスって人が、「大量生産されたものじゃなくて手作りのものを大事にしようよ!」って呼びかけ、これがアーツ・アンド・クラフツ運動につながりました。

ただ、手作りや職人技を大事にして、「みんなに良いデザインを」って考えたウィリアム・モリスの作品は、手作りだったため高価で、多くの人には手が届かなかったっていう…😭

その後、チャールズ・レニー・マッキントッシュのような、「装飾は好きだけど、ごちゃごちゃしたものは嫌い」という異端児が出てきて、以下のような椅子が生まれました。

椅子が無駄に装飾されてますが、ごちゃごちゃしておらず、めちゃくちゃモダンなデザインになってます(機能性は…😁)。

その後、ドイツに出来たバウハウスって学校で、「いや、装飾ってそんなにいる?まずは機能が大事じゃない?」っていう、今のインダストリアルデザインに繋がる、デザインに合理性を求める考えが出てきます。

合理性が広がると、今度は遊び心が大事だ!って言う人が出てきて、ここで合理性と遊び心が融合します。
その後は現代の Apple 製品や UX/UI につながり、今は持続可能性がテーマになってるみたいな流れです。

これから考えられる流れ

前章でロココ調の内装の写真を見た時、「台湾のマンションの内装っぽい!」と思った人は少なくないと思います。

おそらく台湾では、内装をあまりにシンプルにすると、「安いもの」「手を抜いたもの」「IKEAかニトリっしょ」みたいに思われるのを恐れて、オーナーがこうした装飾にしているんだと思います。

つまり、一部のデザインやアートに敏感な人を除いて、台湾人のマインドセットは少し1880年代のイギリス人に似ているってのが僕の考えです。

ただあの時代と圧倒的に違うのは、むしろ、シンプルで合理的で、機能的で、モダンで安い、IKEAやニトリ、無印のようなデザインがあるって事です。

なので、中世ヨーロッパのゴシック式デザインが好きだからといって、台湾人のデザイン感覚が遅れているとは思ってません。

あとシンプル = 洗練されているって思って、台湾人のデザイン感覚は洗練されてないって考えるのも違う気がします(一部そう思う事はあるものの…😁)

あと、日本人は、富を誇示してはいけないみたいな考えとミニマリストの相性がいいので、ミニマリスト = 先を進んでいるとも一概には言えないと思ってます。

台湾人は、「せっかくお金を持ったのだから、豪華なものを買いたい」っていうマインドなんだけだと思います。

一方で、台湾のお金持ちの中には、機能性と合理性だけでいいと考えている人も少なくありません。
知り合いの超お金持ちは、服はユニクロ、帽子はNew Era、バッグはJanSportですし😅

「本物の金持ちは誇示しない」とかそういうのではなく、彼らは単に興味がある分野にはお金を使うし、興味がなければ極端にケチってのが台湾人なのかなーって思います。

総合すると、台湾でこれからも「富を誇示したい」って人はもう少し出るかなーと思います。

その場合、例えば不動産も台湾人に販売したい場合は、日本人向けにシンプルな内装にするより、
日本人には少し合わない贅沢やラグジュアリーが感じられる内装がいいんだろうなーって思います。

これは食べ物も体験もそうだと思っていて、少しぐらい派手にするのが台湾人には鍵だと思っています。

以上、applemint 代表佐藤からでした!