【2022年版】台湾における暗号資産の盛り上がりと暗号資産の税金

こんにちは、applemint lab 代表の佐藤です。

先日アメリカの高校時代の友人から LINE で連絡があり、携帯を見た瞬間彼の LINE のアイコンにビビりました。なんと、村上隆の NFT だったのです。

驚いた僕は彼とまずは NFT や Crypto (暗号資産) の話から始めました。すると彼いわく、彼がいるロサンゼルスでは暗号資産やメタバースが今大いに盛り上がっているみたいな話を聞きました。

みなさんの周りはどうでしょうか?暗号資産を扱っている人なんてほとんどいないのではないでしょうか?この前日本にいる母親と電話で暗号資産について話したら、「嫌だー、怖い」と言ってました(笑)

しかも日本は暗号資産に対する税制が厳しいらしく、ブロックチェーンや暗号資産に投資をする人達は続々と海外に移住していると聞きます…

では日本のお隣台湾はどうでしょうか?以前こちらのブログでうちのスタッフが「台湾人はよく投資をする!」と書いてました。台湾人は暗号資産に投資をしまくっているのでしょうか?

このブログでは台湾における暗号資産の盛り上がりや、2022年3月時点の台湾における暗号資産の税率についてお話をしたいと思います。

台湾における暗号資産の盛り上がり

暗号資産や仮想通貨は中国語で「虛擬貨幣」、「加密貨幣」と言われます。「虛擬貨幣」は日本語に例えると「仮想通貨」で、「加密貨幣」は「暗号通貨/暗号資産」のような感じです。

現在日本では仮想通貨の正式名称は暗号資産です。東京や都市部の人だとこの事を知っている人は多いかもしれませんが、田舎では暗号資産より仮想通貨の方が話が通じるかもしれません。

名称が変更した背景は仮想通貨の「通貨」という単語がまるでドルや円みたいに一種の通貨と思われるのは不適切との指摘から、誤解を避けるために名前が変更されています。

台湾も同じ流れで、元々は虛擬貨幣という言葉を使っていたのを、現在では加密貨幣にしています。

前置きが長くなりましたが、過去5年間の台湾における「虛擬貨幣」と「加密貨幣」の検索量を基に現在の盛り上がりを調べます。

青が「虛擬貨幣」(仮想通貨)で、赤が「加密貨幣」(暗号通貨/資産)です。このグラフから言えるのは、台湾では2018年の12月から2019年の1月にかけて「虛擬貨幣」の検索量が上がり、その後落ち着き、2021年の4月から5月にかけて今度は爆発的に検索量がアップした事です。

また、左の平均検索量を見ると「虛擬貨幣」の方が過去5年間の検索量が圧倒的に多い事がわかります。

2021年4月~5月「虛擬貨幣」の検索量爆発の理由

台湾で暗号資産の検索量が爆発した2021年4月から5月は何があったのでしょうか?どうやらビットコインの暴落と、ビットコインの信者であるイーロンマスク氏が率いるテスラ社が、ビットコインでの新車販売停止を発表した事が原因のようです。

ちなみに他のツールで「虛擬貨幣」と「加密貨幣」の月間検索量を調べた所、合計5万ほどあり、これは「ダイエット」の3万5千より多かったです。つまり、台湾人は確実に暗号資産に興味を持ち始めていると思われます。

ただ後程お話ししますが、暗号資産は台湾では他の投資と比べてリスクが高く、税率も不明確なのでみんな興味はあっても、あまり手を出していないのが現状だと思います。(台湾人は暗号資産に投資するんだったら、リターンが確実と信じている、株や不動産投資をしている印象です。)

leo

先日も永和で不動産買えなかったから土城で不動産買ったという話を聞きました。「いや、そんなに無理して買うなよ…」と思いました(苦笑)

台湾の暗号資産に対する税制

では台湾における暗号資産の税制やリスクとはなんでしょうか?僕のベストを尽くしますが間違っていたらごめんなさい😞

結論を言うと、2022年3月現在台湾では暗号資産で得た利益は財產交易所得(不動産所得)としてカウントされるようです。ただし、暗号資産の税制は未だに不明確な部分が多くて実際にはきちんと課税できていないと思います。

コチラのブログによると、2021年12月時点で台湾政府は暗号資産/仮想通貨を「商品」として見なしており、通貨とは考えていません。なぜこれが重要かというと、もしも台湾が暗号資産を「通貨」と認めた場合管轄が中央銀行になり、「証券」と認めた場合は管轄が FSC (金融取引監査委員会みたいな所)になります。

その FSC は 2021年12月現在、暗号資産を「証券」として見なしていません。なので暗号資産はただの商品なのです。

leo

もっと平たく言うと、ただの資産

つまり暗号資産には証券の売買で発生するキャピタルゲイン税は適用されません。従って、コチラの法律事務所のブログでは暗号資産は所財產交易所得(財産に関する取引で発生する所得)に関する税制が適用されると書いています。

まとめると台湾では暗号資産は「商品」として扱われていて、その商品は不動産資産みたいな商品ということです。

台湾の財產交易所得の税金ってどれくらい?

次に気になるのは財產交易所得にかかる税金ですよね?財產交易所得とは例えば不動産を売買したときに得る利益です。

1,000万元で買った不動産を1,200万元で売ったら差額の200万元の儲けが生まれます。この200万元を財產交易所得と言います。暗号資産で得た利益も同じく財產交易所得です。

では財產交易所得はどれくらいの税金がかかるか?

結論を言うとコチラのブログによると大体17%と言われています。面倒なのが不動産で得た利益の場合は、かかる税金が場所によって変わる事です。じゃー暗号資産はどうなるの????😅って感じです。

leo

暗号資産はどこでも取引ができるので税率が一番安い所に引っ越すのかな??って感じです。

また、不動産の場合は利益に対してリフォーム代や契約にかかった手数料等を経費として申請し、差し引いた利益から 17%を税金として納めるのですが、暗号資産の場合は経費やコストの定義が曖昧です。

参考:【懶人包】出售房屋財產交易所得稅試算、申報、新舊制計算!

僕が見た記事だと、自分でマイニングをした場合は、コンピューター代や電気代をコストとして計上できると書いていますが、マイニングじゃなくて普通に取引所で取引して得た場合の利益の経費は何?って感じです。

證交稅(証券税)にしてしまえばよくないか?

色々調べた結果、僕は「だったら暗号資産は證交稅(証券税)にしちゃえよ」って思ったのですが、多分難しいです。なぜなら、證交稅(証券税)にすると税金が極端に安くなる可能性があり、暗号資産が普及して通貨としての機能を持つ可能性があるからです。

ちなみに台湾では株を売る際にかかる税金は0.3% で、基本的に株は 1,000株からしか買えません。以下事例をご覧ください。

参考:如何計算股票手續費、證交稅?

例えば株価 600元の株を1,000株買って60万元を支払った人が、株価が610元になって売った場合、キャピタルゲイン(株の売買で発生した利益)は1万元 (61万元 – 60万元) です。この利益に対する手数料は3,554元なので、税率は35%です。

しかし仮に株価が10%上がって66万元で売った場合、キャピタルゲインは6万元で、計算すると税金は3,775元です。おっと、税率が急に6%とかになりました。これってかなり安くないですか?

こんな手数料ならリスクが高い暗号資産より株の売買をしよう!ってなりますよね?なので暗号資産を証券として扱うと、多分爆発的に暗号資産に投資する人が増えます。

しかし!

暗号資産の流動性が高くなって、人々が暗号資産を通貨のように使い始めたら中央銀行のコントロールが効かなくなります。これを考慮して現在の暗号資産の税率は比較的高めなのではないかとお思います。

暗号資産は今後メタバースが普及するとかなり面白くなりそうですが、「投資」という観点からは台湾では少し時間がかかるかなと思っています

以上台湾から暗号資産の盛り上がりと暗号資産の税金についてでした!