【台湾の教育と社会がもたらす弊害】資本家はどんどんリスクを取って儲け、労働者はリスクを避け搾取される

こんにちは、applemint lab 代表の佐藤です😎

今日は台湾の教育が将来的に台湾に何をもたらすかという事についてお話をします。ざっくり結論をお話しすると、現在の台湾の教育だと将来やばくないか?みたいなお話しです。

leo

日本の教育もやばいらしいですが…苦笑

この意見には当然賛否両論あって、台湾の教育を支持する人はいっぱいいます。そんな方々の言い分は以下です:

  1. 台湾は小学校から英語教育が充実している
  2. 台湾人は充実した英語教育のおかげで留学したことがない人でも英語が喋れる
  3. プログラミングのクラスとかもあるみたい
  4. 中国語も学べる
  5. 学生のレベルが高い (本当に勉強をしないといけないから)

確かに僕のパートナーのエリックは台湾大学出身で留学経験がないのに英語喋れて、超優秀です。その土台となったのは紛れもなく台湾の教育でしょう。ただ、今回僕が話したいのは教育の内容より教育の方向性です。

英語教育もプログラミングも何らかの大きな目標があって、その手段として勉強することになります。僕は個人的にこの方向性がちょっとやばくないかって思っています。

結論を話すと、台湾では「失敗しない」教育が根底にある気がしていて、尚且つそれは仕組まれている気さえします。

ちなみに今からお話しする内容は僕の個人的な見解であり、ちょっと陰謀論的なテイストも入っているので、「台湾に住んで長い人はこういう考えもあるんだー」ぐらいに思っていただけると幸いです。

leo

なので利用規約にもありますが、このお話はこのコミュニティ内でとどめていただけると幸いです。

それではどうぞ!

失敗しない教育は計画的に作られているのではないか?

人間は一般に得するより損をしたくないという気持ちが強いと言われています。これは「損失回避」と言われます。また、人間は基本的に楽をしたい生き物で、変化を好みません。

例えば人間の脳みそはうまくできていて、いつも同じベッドで寝ていたら、そのベッドで横になった瞬間、脳みそはベッドを「寝る場所」と認識して眠るに入るスイッチを勝手につけてくれます。要するに脳みそは効率がいいという事です。楽をしたいんです。

僕は台湾の学生が義務教育で損失回避を過度に覚えているのではないかと思っています。その典型的な例が失敗しない教育です。

僕がよく聞く話だと台湾の小学校では体育の授業や芸術の授業はよく英語や国語に差し替えられるそうです。その理由は「体育はお金にならないから」「芸術は将来稼げないから」だそうです😭

言わんとしている事はわかります。例えば英語やプログラミングは早いうちから勉強すれば将来職に困ることはなさそうです。従って台湾の教育に賛成的な立場の人は、この無駄のない効率的な教育が好きなのではないかと僕は思います。

一方でこの教育の弊害は何かというと、「無駄な事はしたくない」、「失敗をしたくない」、という心理が芽生える事だと思っています😬 体育や芸術を極めようとすると将来失敗するリスクが高いから、今のうちに避けようと学生は考えちゃいます。

この失敗や無駄な事をしない教育を続けると、学生は自然と失敗のリスクが高いと思われる仕事をしなくなるでしょう。一般に失敗のリスクが高いと思われるのはアーティストやアスリートとかです。起業もリスクは高いでしょう。

しかし社会を変えるのはいつも決まってリスクを取る人です。起業してリスクを取ったような資本家はその重要性を理解しています。しかし、リスクやチャレンジを重視する教育は推奨される傾向にありません。

ここからはちょっと陰謀論的な話になるのですが、最近僕は資本家がわざと失敗しない教育を推進しているんじゃないかと思い始めました。その理由を説明させてください。

台湾では国立大学を出ても給与は大した事ない

日本で一番入るのが難しい大学はどこか?東京大学でしょう。台湾は台湾大学です。東京大学の卒業生は卒業後どういう所に就職するかというと、大企業が多いのではないでしょうか?(知らないけど 😂)

では台湾大学の卒業生はどうかと言うと、結構な数の人が中小企業や聞いた事のない企業に3万元 (12万円) ぐらいの給与で入ります。

これは台湾大学に限らず台湾の国立の大学を出た学生でもよく起こります。なので、日本から台湾に進出した総経理の方はよく「台湾では台湾大学や国立大学を出て日本語が話せるような学生を日本の1/2の給与で雇える!」と、興奮して僕に話をします😂

なぜこんな事が起こるのでしょうか?理由は2つあると思っています。

まず一つ目は台湾の市場規模です。台湾は人口が2300万人と市場規模が小さく国内向けにビジネスをするとどうしても売上がそんなに見込めません。海外向けに仕事をしている会社ならまだしも、国内向けにサービスを展開している会社の売上は大した事がないため、どうしても給与は低くなります。

もう一つが台湾の大学を出た卒業生が「就職」という選択肢しか考えておらず、そんな学生が飽和状態という事です。

「失敗しない」教育を受けてきた多くの台湾人学生には「起業」という選択肢はあまりありません。しかし現実は残酷でどんなにいい大学を出ても、経験も実績もない学生の給与は3万元スタートです。要するに足元を見られているという事です。

leo

そしてこの現実から逃げるように台湾では大学院に行く学生が多いです。

僕はこの高学歴な学生が飽和しているという状態はなんか作り上げられている気がしていて、なぜならこうなると資本家は安い賃金で優秀な学生を雇えるからです。

リスクを取ればいいのですが、失敗しない教育を受けてきた学生はリスクを恐れます。

新陳代謝が起こらない歌手業界

例えば「歌手」というリスキーな職を選ぶ人はどんどん減っていると思います。台湾では古株の歌手がずーと人気です。五月天や蔡依林、楊丞琳、張惠妹なんて20年以上ずっと人気です。

日本で例えるなら浜崎あゆみや Exile が20年ずっと人気なようなもんです。なぜ台湾では歌手の新陳代謝が起こらないのでしょうか?それはそもそも新しく歌手を目指す母数が昔と比べて圧倒的に少ないからではないでしょうか?

僕は蔡依林のインスタをフォローしていますが、40代になってもあのスタイルとシャープな動きは本当に尊敬に値します。ものすごい努力をしていると思います。しかし彼女が未だにあんなに人気なのはそもそも新しい歌手が出てきていないからだと思っています。

では歌手や有名になりたい現代の人は何を目指すかというと網紅です。そっちの方が儲かってリスクが低いと思われているからです。

また、台湾では有名な女優や俳優も大体30代から40代がほとんどで、20代はあまり聞かない気がします。僕の友人が台湾で芸能関係のお仕事をしているのですが、芸能部門を持つ大きな会社の社長が彼女に「台湾で女優をするな!金にならん」と言ったそうです。

台湾は市場規模が小さいのでアーティストやアスリートは初めから世界を狙わないとリスクが高くて儲かりません。これを多くの親御さんは無謀と捉え、失敗を避けるために子どもに芸術や体育をさせません。資本家は失敗しないしたくない人材が増えれば安い給与で雇えるので何も言いません。

また、資本家はリスクを取らないマジョリティを横目にリスクを取って、競争がないのでまたお金を儲けています…

今台湾で有名な会社の代表者のほとんどが富二代と呼ばれる2世です。要するに親がお金持ちだったから子どもはリスクを取る余裕があって、結果お金を儲けているって感じです。

だから僕はリスクを取れと言う。けれどリスクを取らない

Owndays の田中社長が以前書いた本か動画で、「SNS で顔を出したくない!と言うやつがいるけど、みんなはあなたが思うほどあなたの事を見てないよ。」と言ってました。なので、SNS で顔出しするリスクも取れないなら結果を出すのは難しいよ的な事を話していました。

この話の本質は SNS で顔を出せ!ということではなく、リスクを取れということだと思います。そして台湾はリスクを取らない人が多い。その背景には2300万人という市場規模と教育が関係していると思います。

では僕は何をするか?僕はリスクを取ります。ただしこのブログでも話しているように台湾の市場規模には限界があります。そこで日台を軸に、もう一か国攻めていきたいと思っています。

今何となく考えているのはタイです。実は以前僕らのお客さんの KARADA factory さんからタイのマーケティングをお願いできないか相談された事があります。その時は僕らがタイにいないという理由で結局断られましたが、それなら僕がタイに行きます。

また、その当時 KARADA factory さんのお手伝いをしている日本人が起業したタイのウェブマーケティングの会社の仕事を見ましたが、正直ザルでした。競争はありますがコロナ後は積極的にリスクを取っていこうと思っています。

みなさんはリスク取れていますか?何も会社を急に辞めて事業をするような大きなリスクじゃなくてよく、小さなリスクからでいいんです。リスクを取らない人が多くなった今の時代はリスクを取ったもん勝ちですよ!それではまた!