【日本と台湾のSDGの温度差】SDGs との付き合い方

みなさんこんにちは、applemint 代表の佐藤 (@slamdunk772) です。

今日は、日本と台湾におけるSDGsへの温度差についてお話ししたいと思います。

あわせて、直近で僕が「これは画期的だ!」と感じたSDGs関連のビジネスについてもご紹介します😀

applemint lab の皆さんはご存じの通り、僕は3月19日から25日まで関西と東京へ出張していました。

leo

“3/25ぐらい”ではなく、3/25でした…

2023年の1月にも日本へ行ったので、振り返るとけっこうな頻度で出張してますね😅

そんな僕が日本に行くたびに強く感じるのは、至るところに掲示されている「SDGs」の文字です。

もちろん、環境に配慮した取り組み自体はとても良いことです。ですが、以前 applemint lab のブログでも書いたように、「環境保護」を前面に出した訴求は人々の心に刺さりにくい、ということが研究で明らかになっています。

leo

とは言うものの研究からすでに数十年経っているので今は違うかもしれません。

なので僕は、SDGs は「儲けのためのアピール」ではなく、むしろ社内向けに活用した方がいいと考えています。

日本では SDGs がブームになっているのは間違いありませんが、その一方で台湾では「SDGs」という言葉自体、あまり耳にしないのが現状です。

今日は、そんな SDGs に関する日本と台湾の温度差についてお話ししたいと思います!

日台の SDGs の違い

台湾に住んでいる方ならお分かりかと思いますが、実際のところ台湾では「SDGs」という言葉をほとんど耳にしません😅

leo

よく聞きます!って方がいたらすみません…

“環保”という中国語で環境保護を表した言葉は割と聞きますが、SDGs はマジでびっくりするほど聞きません。

その一方で興味深いのは、B Corp と呼ばれる、「サステイナブルな事してますよー」という認証は、台湾企業の方が日本企業より取得していたりします。

B Corp に興味がある方は、調べてみてください!僕も一時期興味を持って認証取得に向けて動こうかなーと思いました。

leo

その後色々あって断念…

なぜ台湾企業の方が日本企業より多く B Corp の認証を受けているのか?

僕の仮説ですが、その背景には「台湾企業には B Corp がより求められている」という事情があるのではないかと思います。

商社の知り合いによると、アメリカではパタゴニアをはじめ多くの企業がサステナビリティに非常に厳しく、B Corp を取得しているサプライヤーを優先的に選ぶケースがあるそうです。

台湾には Nike やアメリカの有名アパレルブランドのサプライヤーが多く存在するため、そうした顧客の要求に応える形で、台湾企業は認証を取得しているのではないかと考えています。

とはいえ、日本にも海外と取引をしているサプライヤーは数多くあるので、この仮説は少し弱いかもしれません…😂

いずれにせよ「SDGs」という言葉自体は台湾ではあまり耳にしません。ただし、それは台湾が環境保護に無関心という意味ではありません。

身近な例を挙げると、台湾ではマクドナルドがドリンクのカップを再利用可能なものに切り替える予定ですし、タピオカドリンクのストローもプラスチックから紙に置き換わるなど、プラスチック削減の動きが着実に広がっています。

SDGs は価値を提供した延長で実践されるべき

環境保護には大賛成です。ただし、環境保護に注力しすぎた結果、収益化が難しくなってしまえば、企業はいずれ続けられなくなります。

もちろん、企業が SDGs を実践することで消費者に価値を提供できているなら問題ありません。ですが、実際にはそうなっていない事例も少なくないと感じています。

僕が言いたいのは、SDGs は「企業が消費者に価値を提供した延長線上で実践される」のが最も理想的だということです。

これだけでは少し抽象的かもしれませんので、最近見かけた素晴らしい事例を一つご紹介したいと思います。

最近僕らは Yourtrade という、スタートアップからお問い合わせを頂きました。この会社の取り組みが結構面白いんです。

この会社では越境ECで廃棄される商品や、海外で廃棄される日本の商品を現地で引き取って再販する取り組みを行っています。

再販された商品はディスカウントされ、売上の一部が Yourtrade に払われ、その他は企業へ支払われます。

日本企業が台湾や海外で越境ECをした場合、郵送中に商品に傷がついて返品されたり、消費者の個人的な理由で返品される事が度々あります。

そうした場合、商品は大体郵送先の現地で廃棄されます。

企業からしてみれば、廃棄した商品は損失となりますし、返品された商品は通常再販できません…

Yourtrade は廃棄される商品を引き取って再販する事で、企業の損失を減らし、消費者はディスカウント価格で商品を買えます。

しかも廃棄商品(アウトレット商品)を売るので、消費者は再度返品する事はできません。

個人的に素晴らしいアイデアであると思ったと同時に、このビジネスはちゃっかり環境に優しいんです😂

このようにまずは消費者へ何らかの価値を提供した上で SDGs をしている企業は、SDGsの理念がすごく伝わると思っています。

一方で、ただ SDGs を CSR 的な位置付けで意識している企業は一生消費者に届かないだろうなーと思っています…

つまり、意味がないって事です😓

最後は少し過激な意見で終わりましたが、以上 applemint 代表佐藤から台湾と日本の SDGs の意識の違いと、僕が思う SDGsとの向き合い方についてでした!