台湾で日系アパレルが突如大バズした理由を分析する (2026年5月)

みなさんこんにちは、applemint代表の佐藤です。
今日は、最近台湾で起きた“あるバズ”の正体をブレイクダウンしてみたいと思います。
最近、知り合いがお手伝いした某日本アパレルブランドが、台北でポップアップストアを開催し、大きな話題になりました。
ただ正直、バズという現象自体は、そこまで再現性が高いものではありません。
けれど、このブランドに関しては、仮にまた台湾でポップアップをやっても、再びバズる可能性が高いんじゃないかと感じています。
もしそうだとしたら、それは単なる偶然ではなく、「再現性のあるバズ」と言えるかもしれません。
そこで今回のブログでは、このバズをできる限り因数分解しながら、「なぜ台湾でここまで話題になったのか」を考察していきたいと思います。
商品力とIP の力

今回ご紹介するケースは、以前のブログでも少しお話をした、MAYLAです。
商品を見るとわかるのですが、アニメIPとコラボしたアパレルの中では、個人的には抜群にバランスが取れていると感じました。
アニメモチーフのアパレルって、一歩間違えるとコスプレ感が強くなってしまい、結果的にターゲットがかなり限定されてしまうことがあると思います。
その点、MAYLAさんは“アニメらしさ”と“普段使いできるデザイン”のバランス感覚がとても上手いな、っていうのが実際に見た感想です。

あと、コスプレと普段着のちょうど中間くらいの絶妙なバランス感だからこそ、お店に行った時は、みなさん本当に写真を撮りまくっていました。
おそらく、これがSNSでの拡散につながったんだと思います。
「アニメIPは台湾で強い」という話自体はいろんな人から聞きますが、アニメ由来の商品だけだとバズるとは限りません。
ここまでバズにつながったのは、やはり商品力が一番の理由だと思います。
コスプレフェスとの相乗効果
ポップアップが始まったのは2026年5月15日なのですが、ちょうどその週末に「PF44」というアニメ・漫画系の大型イベントが開催されていました。
主催者の方曰く、どこかで相乗効果があったのではないかとのことでした。
どうやら、ポップアップに来た方たちがSNSに投稿した写真が、PF44に参加予定だった層にも届き、「この服を着てイベントに行きたい」というモチベーションにつながったのではないか、と話していました。
僕自身も、それはかなりあるんじゃないかなと思っています。
逆に言うと、もし今回のポップアップストアがPF44にも出展していたら…かなり恐ろしいことになっていた気もします。
若者の手の届く価格帯(円安が追い風)

次に僕が思ったのは、今回の商品が、多くの若い台湾人女性にとって「手が届く価格帯」だったことです。
今回バズったきっかけはThreadsだったのですが、そもそもなぜThreadsで広がったのかというと、来店した若い人たちが積極的に発信したからだと思います。
少し前に読んだ『エモ消費 世代を超えたヒットの新ルール』という本でも、「いかに若者に届けるか」が重要だと書かれてました。
理由はシンプルで、若い人ほど積極的に発信してくれるからです。
そして、その発信がバズれば、結果的に30〜40代にも届き、最終的な購買につながる可能性があります。
僕自身もSNSを使っていて感じますが、年齢を重ねるほど SNS での発信頻度って確実に減ります。
失うものも増えますからね????
でも、若い世代は違います。
例えば今回初音ミクのダウンジャケットが販売されていたのですが、価格は約3万円ほどでした(すいません????写真取り忘れました!)
当日はQRコードを読み取り、日本のECサイトから購入する形だったので、日本の価格のままでショッピングができます。
なので、約6,000NTDくらいですね。
季節的な影響もあり、ダウンジャケットはそこまで売れていなかったようですが、可愛くてお手頃なので、拡散に繋がりました。
その他の商品も大体6,000NTD前後で、「アニメコラボ商品」少し高いけど頑張れば届く価格帯だったと思います。
日系企業の商品の中には、「バズってほしい」と思いながら、そもそも価格帯が若者向けではないケースって結構あります。
そうすると、若者発のバズはなかなか起きません。
購入者が若者じゃないですからね。
なので、高価格帯で売りたいなら、“バズ”よりも口コミを積み上げる施策に集中した方がいいと思ってます。
あ、ふと思いましたが、DJブースを置いて、お客さんの邪魔にならないようにDJ でミックスするのって集客/バズのきっかけになりそうですね(出張ボランティアDJしますよ〜????️)
面白い現象
列があった方が売れる

最後に、今回のポップアップで起きたその他の出来事についても少し整理しておきます。
今回はかなりの行列ができたのですが、運営側は状況を見ながら、整理券の配布など柔軟に対応していました。
ただ、整理券制を導入してユーザーフレンドリーにした結果、「整理券だけ受け取って戻ってこない人」がかなり発生したそうです。
その結果、実際の来店人数や売上には多少影響が出てしまいました。
これはなかなか難しい問題ですね。
結局のところ、行列を作ることで生まれる熱量と、整理券による快適さのバランスは、現場で状況を見ながら臨機応変に調整していくことが大事なんだと思います。
ちょっとした炎上とThreads の暗い未来

このブランドさんのポップアップでは、多くの方が炎天下の中並んでいたにも関わらず、ネガティブなSNS投稿はほとんどなかったそうです。
ブランド担当者の方も、「お客さんやファンの質が本当に良くてありがたい」と話していました。
ただ、店内でちょっとしたトラブルが起きた際、近くにいたお客さんの一人がThreadsにネガティブな投稿をしたそうです。
残念ながら、人はネガティブな話題が大好きです。
Googleレビューでも、最初に目に入るのは大抵ネガティブなコメントですよね。
その投稿も、多くの「いいね」が集まり拡散されたそうですが、一方でブランドを擁護するユーザーも現れ、最終的には大きな問題にはならなかったようです。
SNSを見ていていつも思うのですが、人は「ネガティブな投稿で注目を集める快感」を覚えると、どんどん粗探しをするようになっていきます。
そして、そのターゲットになりやすいのがサービス業です。
悪者にされるのも、たいていはお店側です。
SNSのアルゴリズムがネガティブな投稿を拡散しやすい構造になっていることで、「サービス業なんてやりたくない」と思う人も増えていく気がします。
そうすると、飲食店やサービス業のお店は街から減り、空き店舗が増え、街の景観も悪化していきます。
さらに空き店舗が増えると、治安にも影響が出てきます。
もちろん、ネガティブな投稿をしている人たちが、そこまで考えているとは思いません。
ただ個人的には、フォロワー至上主義や「とにかく注目を集めた者勝ち」みたいな空気が、少しでも早く変わってほしいなと思っています。
季節外れのノベルティと単価アップ
最後に、「季節外れのノベルティ効果」についてもお話ししたいと思います。
今回、ブランド側は、日本ではすでに販売しづらくなった季節外れの商品をノベルティとして活用していました。
例えば、「20,000円以上購入でプレゼント」といった企画を実施した結果、このノベルティ目当てで購入金額を上げる人がかなり増えたそうです。
もちろん、すべての商品を計画通りに売り切れるのが理想ですが、現実にはどうしても売れ残りや季節ズレの商品は発生します。
そうした商品を単純に値下げするのではなく、「〇〇円以上購入でプレゼント」という形でノベルティ化するのは、かなり良いやり方だなと思いました。
また、越境ECをやっていると、例えば日本では夏でも、オーストラリアでは冬なので、冬物商品が売れるケースも結構あるそうです。
今後は、例えば日本で冬に売れ残った商品を、夏のオーストラリア向けに英語広告で販売する、みたいな展開も面白いかもしれません。
特にアニメIPのように、国境を越えてファンが存在する商品は、こうした越境販売との相性がかなり良さそうです。
以上、applemint代表・佐藤でした!