2026年6月現在、台湾インフルエンサーについてわかっていることなど

みなさんこんにちは、applemint 代表の佐藤です。
最近クライアントさんと話していると、「KOLに案件をお願いしたいんですけど、相場っていくらなんですか?」みたいな相談がありました。
これって今に限らず昔からよく受ける代表的な質問ですが、大体1フォロワー=1台湾ドルって考えてそこまで間違えてないです。
残念ながら費用含めて、その先の話や数字や本音ベースの情報ってあまり落ちていません。
なので今回は、2026年6月現在、僕が現場で見ている範囲で「台湾のインフルエンサーについてわかっていること」を、できるだけ赤裸々に書いてみようと思います。
数字は実際に僕が見たものなので、何かの参考になれば嬉しいです。
費用面:実際のプライシングを公開します

まず一番気になるのは費用だと思います。
ここに、フォロワー約50万人の某インフルエンサーのプライシング表を載せます(もともと繁体字だったので日本語に直しています)。*2026年4月の価格
【ストーリーズ】
- ストーリーズ投稿(原稿確認なし):15,000台湾ドル
【タイアップ投稿(画像+テキスト)】
- IG+FB(Metaはセット販売・分売不可)画像+テキスト:250,000台湾ドル
- 素材を各プラットフォームに同時転載する場合:1プラットフォームにつき+10,000台湾ドル
【タイアップ投稿(ショート動画)】
- IG+FB 動画(Metaはセット販売・分売不可/60秒):300,000台湾ドル
- 素材を各プラットフォームに同時転載する場合:1プラットフォームにつき+10,000台湾ドル
【広告二次利用・素材使用許諾】
- 広告アカウント利用(広告主として回す):20,000台湾ドル/週(Meta・YouTubeは別計算)
- 同上:68,000台湾ドル/月
- 素材使用許諾:25,000台湾ドル/週(公式オンライン・実店舗は別計算)
- 同上:85,000台湾ドル/月
ざっと見て、どう感じますか?
細かいですが、一番上の「原稿確認なし」は、企業側に少し不利かもしれませんね。
story はこちらが投稿前に文面をチェックできない、って意味です。
フォロワーがそれだけいれば、それだけ相手が強気になれるって事です👍
あとここで押さえておきたいポイントは、「投稿してもらう費用」と、その投稿を「広告として二次利用する費用」が別で発生するという点です。
たとえばショート動画を1本作ってもらって30万台湾ドル、それを広告として1ヶ月回すのに別途6.8万台湾ドル、さらに公式サイトやLPで素材を使うのに8.5万台湾ドル、みたいに費用はどんどん膨れ上がります。
気づいたら「投稿1本のはず」が、トータルで数十万台湾ドルになっている、っていうのがインフルエンサー起用です😅
某インフルエンサーのPRリール動画、表面上の数字

次に、実際にこのインフルエンサーが出したPRリール動画の「表面上の数字」を見てみましょう〜
- 視聴回数:214万回(おそらく広告込み)
- いいね:9,219(視聴回数に対して0.43%)
- コメント:25
- シェア:10
- メッセージ:254
- 総エンゲージメント:0.44%
なぜ214万回が「おそらく広告込み」かというと、このインフルエンサーの直近数ヶ月のオーガニック(広告なし)の視聴回数は、数十万回程度だからです。
つまり214万回のうちかなりの部分は、広告で買った視聴回数だと推測できます。
ちなみに「総エンゲージメント0.44%」という数字をどう読むか、ですが——いいね・コメント・シェア・保存などを全部足してこの水準というのは、正直そんなに高くないと思ってます。
広告を使って視聴回数を稼ぐと、興味の薄い層にも届く分、分母(視聴回数)だけが膨らんでエンゲージメント率は下がります。
なので「214万回も再生された!」と分子だけ見て喜ぶと、火傷します。
では、この214万回のうち、どこまでが広告費で、どこまでがインフルエンサーへの費用なのか?正確にはわからないっす…😱
ただ過去の経験から、KOLへの出演費+広告二次利用などをAIでざっくり概算すると、上の例だと、だいたい50万台湾ドルは広告費で使っているかなーと思います。
なので、214万回の視聴回数を得るために企業側は、30万台湾ドル + 二次利用費+50万台湾ドル(広告予算)を使っているかなーって思います。
合計:90万台湾ドル(450万円)ヒョエー😱😱
ついでに言っておくと、この二次利用はKOLのアカウントを使って広告を回すので、視聴回数やエンゲージメントは全部KOL側に溜まります。
ブランド側のアカウントには資産がほとんど残りません….
地味ですが、けっこう大事なポイントです。
仮に、この数字(214万回視聴)をMetaで単体で広告を出して獲得する場合、20〜40万台湾ドルもあれば214万回の視聴回数自体は作れると思います。
もちろん、インフルエンサーを使う場合はある程度エンゲージメントが付くので、そこは分けて考えないといけないですし、それこそがKOLを使う利点でもあります。
ただ、ここで冷静に考えたいのは、たった0.44%のエンゲージメントのために、広告費の他に、プラスで30万台湾ドルを払う価値があるのか?ということです。
「ある」と思うなら、払えばいい。「いや、それは違うな」と思うなら、頭を使って別の手を考えるしかありません。
ちなみに僕個人の考えを言っておくと——ファンとリアルに交流できるポップアップイベントなんかは、20〜40万台湾ドルあればちゃんと出来るし、
しかも来場者のデータも取れるし、その様子を動画アーカイブとして残して、後から広告やSNSの素材に使い回すこともできるし、そういう使い方の方が良くない?です。
来てくれた人は実際に商品に触れた濃いファンなので、その場で買ってくれたり、口コミで広げてくれたりもします。
結局、人がやりたくないと思う泥臭いことほど、後々効いてくるって言うのは、僕がいつも思っていることです。
「フォロワーの中に、本当にあなたの商品を買う人はいるのか」問題

最後に、僕が一番大事だと思っている話をします。
ズバリ、インフルエンサーのフォロワーの中にあなたの商品を買う人いますか?って話です。
先日、ある不動産会社さんと話をしました。「日本の不動産をどうやってもっと台湾で売りましょうか…」って話になりました。
その話の中で、またインフルエンサーの話が出たんですね。
たとえば台湾の有名インフルエンサー joeman は不動産をめちゃくちゃ紹介しているから、つい彼に案件をお願いしたくなる。と
でも実際に彼にお願いしても、来るのは金額が比較的に小さい何千万円規模の不動産の問い合わせらしい、という話を聞きました(これは僕が直接確かめたわけではないので、本当かどうかはわかりませんが)。
つまり何が言いたいかというと——「そのKOLのフォロワーは、あなたの商品を本当に買う層なのか?」を、ちゃんと考えないといけない、ってことです。
当たり前なんですけど、なんだかみんな、フォロワーの数ばかり見ている気がします。
あとは、せいぜいフォロワーの性別とか。
ほとんどの場合、フォロワーって偏ります。料理系には料理好きが、ガジェット系にはガジェット好きが集まる。
もちろん、江頭2:50みたいに、本当に老若男女、幅広い層が見ている人なら話は別かもしれません…
たとえば僕のチャンネルは、視聴回数も少ないし、エンゲージメントも全然ありません。でも、見てくれているのは台湾にいる日本人や、現地の総経理(社長・経営トップ層)クラスの人が多いです。
僕自身はPR案件を受けるつもりはないですが、そういう視聴者に対して何か商品を売りたい企業にとっては、僕はかなりコスパがいいインフルエンサーだと思います。
実はこういう「数は小さいけど濃い」層の方が、購買に対する影響力は大きいと思っています。
数十万人にふわっと届くより、決裁権を持っている1,000人にちゃんと届く方が、商売としては効くことがあるんですよね。
BtoBの商材や、単価の高いサービスを売りたいなら、なおさらです。
フォロワー数という分かりやすい数字に引っ張られて、「誰に届けたいのか」という一番大事なところが抜け落ちる——これは台湾に限らず、マーケティングあるあるだなと思います。
まとめ
長くなったので、最後にざっくりまとめます。
- 台湾 or 恐らく日本のKOLも「投稿」「広告二次利用」などが別々で、全部併せると結構な値段になる
- 表面上の視聴回数は広告で買えるので、エンゲージメント率(質)の方を冷静に見るべき
- 同じ予算なら、ポップアップなど「データと資産が残る泥臭い施策」の方が効くのでは?
- フォロワーの数より、「そのフォロワーが自社商品を買うか」が重要
インフルエンサーマーケティングそのものを否定したいわけではありません。
それこそ江頭2:50 やヒカキンが、カップ麺とビールを出して売り切れが続出しているように、購買に影響力があるケースはいくらでもあります。
ただ、台湾に関して言うと、いかんせん本当に多くの KOL が PR 案件を受けているので、「なんとなくフォロワーが多いから」って理由だけで選ぶと、PR 慣れしている台湾人ユーザーからすると、「なんだこれ?」ってなって購入まで至りません…
大金を動かす前に、一回立ち止まって数字を分解してみてください。今回言いたかったのは、それだけです。
以上、applemint からでした!