2018年にSNSを始めていたら、彼女の人生は変わっていたかもしれない

今から6年ぐらい前、まだ最初のレンタルオフィスにいた頃、台湾で芸能活動をしているという日本人女性に会った。

彼女は日本にいた頃からモデル活動をしていたらしく、台湾でも知り合いの伝手を頼ってモデルの仕事をしていた。

どうやら彼女は、その当時僕が書いていた台湾起業に関するブログを読んで問い合わせをしてきたらしい。

もちろん問い合わせの内容は起業に関するもので、内容は、「芸能事務所を立ち上げたい」というものだった。

今ならAIを使えば、台湾で芸能事務所を立ち上げる方法についていくらでも情報が出てくるが、当時はそういった情報がほとんどなく、僕のところに相談が来た。

とはいえ、僕も芸能事務所を立ち上げた経験なんてないのであまりアドバイスはできなかった。
ただ、調べていくと、芸能事務所というのは人をマネジメントする会社だから、会社設立のハードルとしては人材派遣会社に近いらしい、ということがわかってきた。

ちなみに、人材派遣会社を台湾で立ち上げようと思うと、結構ハードルが高い。

それなりの資本金が必要だし、そのほかにもいろいろな条件がある。

このことを彼女に話したところ、少し諦めたような様子を見せていて、とても残念そうだったのを覚えている。

こうして僕と彼女は知り合った。

やらない理由を探すのは簡単

まず伝えておきたいのは、彼女はとても優しくていい子だということだ。

僕が声をかければちょくちょく駆けつけてくれるし、親思いでもある。内面は本当にいい子なんだと思う。

ただ、その優しさが災いしているのか、相手を蹴落としてなんぼの芸能界はあまり性に合わない、と彼女自身が話をしていた。

とはいえ、人から注目されることは好きなので、芸能活動そのものは気に入っていたらしい。

彼女が台湾で芸能事務所を立ち上げたいと思った理由は、台湾に来ていざ芸能活動を始めようとした際、彼女を誘った台湾人に騙されたらしく、「それなら自分で立ち上げよう」と思ったからだった。

ただ、残念ながらその道は現実的には難しいことがわかった。

ちなみに、ここでいう騙されたっていうのは、実はヌードモデルされたとか、金を騙されたとかではなく、芸能活動させてあげると言われたけど、実際はほとんどなかったというものだ。

こういう時に大事なのは、自分がなりたい姿や、やりたいことを明確にし、そこから逆算してどうやって辿り着くかを考えることだ。

客観的に見て、彼女にはそれができなかったように思う。
彼女からこの相談を受けたのは、ちょうど2018〜2019年頃だった。

当時は「網紅(インフルエンサー)」という言葉が、ようやく世間に浸透し始めた頃だった。

先日、なおきマンとゆとりくんが出演しているNewsPicksの動画を見たが、どうやら2017〜2018年頃はSNSが新規参入者に対して比較的露出を与えてくれる時代だったらしい。
彼らも、そのタイミングで発信を始められたのはラッキーだったと語っていた。

トランプ邸に呼ばれた都市伝説王とは何者か【ナオキマン】

僕も真っ先に彼女へSNSでの発信を勧めた。

その頃の彼女は、台湾のテレビやドラマに出演することを強く望んでいた。
しかし、テレビ業界の衰退は明らかだったし、ギャラも低いから現実的に食っていけない。

しかも彼女は中国語のアクセントがあるから、俳優をしたとしてもどうしても移民役とかになり、出番は少ない。

その一方で、SNSで有名になれば、そこからのマネタイズもできるし、もしかしたらテレビや俳優のオファーも来るかもしれない。

ところが彼女は、その当時インフルエンサーという存在を少し下に見ていて、

「あたしはインフルエンサーにはならない」

と僕に言った。

また、彼女と会うたびに、台湾で芸能活動をしている他の日本人やインフルエンサーに対する悪口が次から次へと出てきた。

「〇〇さんは媚びを売っている」とか、「〇〇さんはお偉いさんにはペコペコするのに、あたしには態度が大きかった」とか、とにかくすごかった。

まー嫉妬だろう。

中には、僕の知り合いが好印象を持っていた人の名前まで出てきて困惑した。

当時から今に至るまで変わらないが、僕はこういうどうでもいい愚痴や文句を聞いている時間がとんでもなく嫌いだ。

あと、一番嫌だったのは、やらない理由ばかりを僕に話してくることだった。

彼女の悩みに対して僕なりに「〇〇してみたら?」と提案すると、必ず何かしら理由をつけて「それはできない」と言う。

この時の彼女の愚痴があまりにもひどかったので、その後は誘われても断るようになった。

そうして月日は流れていった。

それから数年後…

それから数年が経ち、コロナ禍も明けた頃、彼女と久しぶりに会う機会があった。

彼女も僕が自分を避けていることには気づいていたと思う。そんなこともあって、しばらく会っていなかったのだが、久しぶりに会ってみると相変わらずだった😅

いい子なんだけど、愚痴と言い訳がひどい。

台湾で活動している日本人インフルエンサーや芸能活動をしている日本人の悪口が、また始まった。

どうやら彼女は好き嫌いがかなり激しいらしい。
そんな中、うちの元社員でインフルエンサーになった黑木太太(うちの元社員で、インフルエンサー)の話になった。

直接は知らないようだが、存在は知っていた。

僕は彼女の事例を紹介しながら、「黑木太太みたいに、SNSでショート動画に力を入れてみなよ!」と提案した。

すると彼女から返ってきた答えは、

「私はこういうのやらない」

だった。

黑木太太の動画がバズっていること自体は認めていたものの、どうやら彼女の作る動画のスタイルとテーマが自分には合わないのでやりたくないらしい。

「いや、だったら別のテーマでやればいいのに…」とは思った😅

黑木太太の動画を見ていると、豪快で明るくて、自然体なイメージを持つと思う。

そうした側面はもちろんあると思うが、2年間一緒に仕事をしてきた僕から言わせれば、彼女は再生回数を伸ばすために、ユーザーが求める言葉遣いやリアクションをきちんと研究して演技している。

以前インタビューした際、彼女は「在台日本人女性インフルエンサーは可愛い系が多いので、自分は自然体でいく」と話していた。

そうやって彼女なりに生き残るために、ポジショニングをしているってことだ。

例えば彼女は、食事シーンでは少し大雑把に食べ物を頬張ったり、大袈裟なリアクションを取ったりする。
見る人によっては、食べ方が汚いと感じるかもしれない。

しかし、それはすべて演出であり計算だ。

僕は彼女と長く仕事をしてきたが、普段あんな食べ方をしている姿を見たことは一度もない。

話を戻すと、悪口をよく言う彼女は、「インフルエンサー」のような活動をしている人たちを、どこかSNSユーザーに自分を売っている人たちのように見ていた。

そして、自分は俳優を目指している人間だから、そういうことはしないと決めていた。

はずなのに…先日たまたま彼女のYouTubeやSNSを見かけたら、結局黑木太太と同じようなテーマで動画をアップしていた…😅

2018-2019年に始めていたら、全然違う景色があっただろうに…

出来るか出来ないかじゃない。やるかやらないか

最近、るるたんと鈴木おさむの欲望のKPI というポッドキャストをよく聴いている。

るるたんは風俗嬢で、とんでもなく頭の切れる人だ。

正直、彼女が今の日本のアダルト業界を良い意味で壊すんじゃないかと期待している。

以前ポッドキャストで、同業の女性から「出勤するモチベーションがない時はどうする?」と聞かれた彼女は、「とりあえず行く」と答えていた。

「学校って、行くか行かないかを毎日悩まなかったじゃないですか。そんな感じで、とりあえず行く。嫌になったら帰ればいいし、やる気が出たらそのまま働けばいい」

そんな話をしていて、なるほどと思った。

僕も今はほぼ毎日ジムに通っている。もちろん行きたくない日もあるが、とりあえず行く。

本当にやる気がなければ軽い運動とストレッチだけで終えるし、ランニングをしているうちに気分が乗ってきたら、そのままトレーニングをする。

一番よくないのは、言い訳を作って行かないこと、やらないことだ。

どの本で読んだか忘れたが、人はまず行動し、その後で意味づけをするらしい。迷った時に大切なのは、まず動くことだ。

やらない人はそこから何も進まない。一方で、やる人はどんどん前に進む。

そして、その差は少しずつ大きくなっていく。

そんなことを考えていたら、うちのクライアントの代表もまったく同じことを言っていた。

どうやら日本から来たスタッフが、中国語ができないことを理由に一部の仕事を避けていたらしい。

そのスタッフは代表に「私にはできません」と訴えた。しかし、会社に通訳をつける余裕はない。

そこで代表はこう返した。

「できるかできないかじゃない。やるかやらないか。それで、やるの?やらないの?」

スタッフは「やります」と答え、中国語教室に通い始めた。

芸能活動をしている子の2018年の話でもそうだったが、自分に言い訳して「やらない」を選び続けると、選択肢はどんどん狭くなる。

まずは動こう。嫌でも、とりあえず動こう。

これは自分自身にも言い聞かせている。