【台湾で家電量販店が流行らない理由とは】海外進出は日本の成功要因を因数分解する事から

みなさんこんにちは、applemint 代表の佐藤 (@slamdunk772) です。

今日は海外に進出する時に大事な、成功要因を因数分解するというお話をしたいと思います。

かなり前の動画ですが、日本から海外進出の支援をされている、世界へボカン株式会社の徳田さんと対談した動画があります。

この動画の中で徳田さんは、「海外に進出する日系企業は、まず自分達の国で成功している要因をブレイクダウンする事が大事」みたいな話をしています。

要するに成功要因を因数分解しろという事です。ただ、口で言われてもいまいちピンとこないと思うので、今日は家電量販店をケーススタディとして取り上げます。

日本と台湾では家電量販店の現状が全く異なるので、いいケースだと思っています。

台湾の家電量販店の現状

台湾にはいくつか家電量販店が存在します。有名なところだと、黄色い看板が目印の燦坤や赤いロゴが目印の全國電子などがあります。

これらの家電量販店が成功していないと言うと、語弊がありますが、僕の知る限り日本ほど成功している感じはちょっとありません。仮に成功していたとしても、台湾の家電量販店はあまり家電を買いに行く場所として認知されていない気がします。

leo

百貨店やECサイトで家電を買う人が多い気がします。

では、なぜ台湾の家電量販店は日本の家電量販店ほどのプレゼンスがないのでしょうか?今日はそんなお話をします。

台湾の家電量販店の現状を見て、「台湾では家電量販店は流行らない」と結論づけてしまうのは、ちょっと勿体ないかなと僕は思っています。

日本の家電量販店が成功している要因を因数分解

日本の家電量販店というと、ヨドバシカメラやビックカメラ、ヤマダ電機、Ks電気、エディオンなど本当に多く存在します。

これだけ多くの家電量販店があるということは、日本では家電量販店がそれなりにうまくいっているという裏返しでもあると僕は思っています。

また、日本の家電量販店に行ってみるとわかりますが、台湾と違って結構な賑わいを見せている所が多く、週末ともなると本当に多くのお客さんがいます。では、なぜ日本の家電量販店はこんなに人がいて賑わいがあるのか、僕なりに因数分解したいと思います。

  • 広告をよく出している
  • 大きなビル
  • 都市部には必ずどこかの家電量販店があるイメージ
  • 駅から近い(場所によっては郊外のイオンモールの近くなど)
  • バラエティに富んだラインアップ
  • 人が集まる場所によくある
  • 色んなサービス(携帯やネットの加入も可能)
  • 店内のオリジナル音楽(笑)
  • などなど

その他にもいっぱいあると思いますが、ひとまずこれぐらいにしておきます。

台湾の家電量販店との比較

因数分解をしたら、次に台湾の家電量販店と比べます。日本の家電量販店がしていて、台湾の家電量販店がしていない事を抽出出来ればベストです。

例えば、台湾の家電量販店は日本に比べて規模が小さい所が多いイメージです(地方に行くと規模の大きい家電量販店もあるが)。

「商品のラインアップ」という面でも日本の家電量販店の方が、台湾より優っている気がします。日本の家電量販店はスーツケースやブランド品の時計、子どものおもちゃなんかも売ってます。

そして僕が個人的に考える台湾と日本の家電量販店の大きな違いは、日本の家電量販店は大きなビル丸ごと借りている場合が多いのに対して、台湾のはせいぜい1-2階ぐらいのビルで収まっている点です。

成功要因に対する仮説を立てたら検証

仮にここでは、「ビル一棟を借りていないのが台湾家電量販店が日本ほど流行らない原因」と仮説を立てたとします。次に行うのが、仮説の検証です。

残念ながら今回の要因を検証するためには、ビル一棟を借りる必要があり、結構な費用がかかります。そこで、ビル一棟を借りて台湾でうまく行っている小売店を探し仮説を検証します。

そうすると、百貨店やドンキホーテがビル一棟を借りてそこそこうまくいる事に気づきます。特に西門町のドンキホーテは限りなく日本のドンキに近い感じがします。

leo

日本よりちょっぴり狭いですが…

日本のビル1棟型のドンキホーテや家電量販店に行くと気付くのが、滞在時間が長いのと、気づいたら上下に移動している事です。

僕は仙台市にあるドンキホーテでは3階に行ったと思ったら4階へ行き、また3階へ戻り、今度は5階に行きました。日本の家電量販店も家電だけではなく、本当に色々なものが売っているので、思わず上下に移動します。

バラエティに富んだラインアップと、上下の動きっていうのは結構重要なんじゃないかなーって個人的には思っています。

迷ったら成功要因の因数分解をして、仮説を検証すればいい

台湾で行き詰まる企業さんは、競合他社の成功事例を見て、それを真似る傾向にあります。これが中々うまくいきません。僕はうまくいかない理由は、再現性がないためと思っています。

例えば僕が今日飲料水メーカーを台湾で立ち上げとします。僕がすかさずコカコーラーのプロモーションの真似をしても、なんとなくうまくいかないのはみなさんわかると思います。

その理由はコカコーラのプロモーションの成功の影には何十年と培ってきたブランド力やコカコーラだからうまくいく独自の要因があるためです。

そんな事をするなら、まずは自己分析をするべきだと僕は思っています。台湾に進出できる日系企業は、日本である程度成功しているはずなので、だったら日本の成功要因を分析した方がいいという話です。

就活でも大事なのは自己分析からって言います。自己分析は自分達の強みを理解して、自分達が勝てる土俵で相手と戦うために行います。どうやら多くの人は日々の業務に忙殺され、就活の時にやった自己分析を忘れるようです。

ということで、今回は台湾の家電量販店を例に取り、台湾の家電量販店が日本よりあまりうまくいっていない要因を抽出してみました!

『バラエティに富んだラインアップ』と『上下の動き』という仮説が正しいかは、やってみてのお楽しみですね。