【お詫び】applemint lab 会員登録の酷い UX とその背景

こんにちは、applemint 代表の佐藤です。

今年から本格的に始まった applemint lab ですが、会員登録及びお支払いの段階で皆様には多大なご迷惑をお掛けして本当に申し訳ありません。

この場をお借りしてお詫び申し上げます。

今後 UX の改善に努めると同時に、皆様にはこの酷い UX の背景をきちんとご説明したいと思っております。言い訳がましく聞こえるかもしれませんが、実はお支払い部分で手こずっているのには理由があります。

結論を言うと、僕らの実力不足の一言に尽きるのですが、それ以外にも「台湾の市場」と「EC」、「payment gate」という問題が関係しています。

少し長文になりますがこのブログではみなさんに予備知識として台湾の EC 事情について少しご説明をしたいと思います。

支払いゲートウェイってご存知ですか?

みなさんが普段何気なくどこかのウェブサイトやオンラインサロンでお支払いをする場合、その裏では通常 Payment gateway (支払いゲートウェイ) といって、仲介業者がお支払いを処理しています。

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高輪ゲートウェイじゃないですよ(冷汗)

仲介業者は顧客のクレジットカードの番号を暗号化して処理をし、サービス提供者に顧客の情報を受け渡します。通常 Payment gateway 抜きにオンラインで物を販売することはできません。

leo

Amazon とかすごい会社は仲介業者抜きで自分達でしてしまいます。

ECサイトを立ち上げた事がある方なら恐らく一度は聞いたことがあるであろう、Base や Shopify といったサービスはウェブサイトのデザインを提供するだけでなく、同時に payment gateway に対応し、裏でお支払いに対応しています。だから便利で流行ってます。

でも例えば Base の場合、台湾の消費者を相手に ECサイトを作ろうとすると、恐らく台湾の消費者がお支払いする時に住所や電話番号を入力して先に進めないバグが起きる可能性が高いです。

その点 Shopify はグローバル企業という事もあり決済時のバグは起こりませんが、台湾人向けにレシート(發票)を発行するには EC-payment というサービスを別途登録する必要があります。

このように台湾で EC サイトを作る場合は、グローバル対応を見据えて Shopify にするか、台湾の payment gateway に対応した Cyberbiz や91app などを選ぶか、はたまたウェブサイトを作ってグローバルな決済に対応する payment gateway のサービスを導入するかの3択が一般的です。

applemint は台湾及び日本のユーザーを相手にしているので、その時点で台湾のローカルサービスを使う選択肢は消えます。すると僕らの選択肢は以下になります:

  1. Shopify を使う
  2. ウェブサイトを作ってグローバルな決済に対応できる payment gateway のサービスを導入する

#2 のグローバルに対応できる payment gateway は、Paypal や Stripe といったサービスが有名です。

applemint の決断

applemint lab が何か単純に物をオンラインで売るだけのサービスであれば、恐らく shopify のミニマムプランかスタンダードプランで大丈夫でした。

しかし僕らは#2を選びました。その理由は、applemint lab の売り物が「コンテンツ」だった事と applemint lab のウェブサイトを通して「オフラインのイベント」のご案内や、セミナーのレポートを会員に見せたいと思ったからです。

つまり僕らは applemint lab をただの ECサイトではなく、有料のコンテンツサイト + イベント情報を発信するサイトとしたため、まずはウェブサイトを作ることから始めました。

後ほど説明しますが、僕はこれがやり過ぎだったかなと思っています。結局1つのウェブサイトでグローバルにコンテンツを有料にして、サブスクにして、日台対応にして…..など色々した結果単純にウェブサイトのキャパがオーバーしたと思っています。

例えば西野亮廣氏のオンラインサロンは既存の EC サービスを使って支払いを簡素化し、コミュニティは SNS で作っているあたりものすごくうまいなーと思います。

現状のオンラインサロンに感じた課題

僕は今年 applemint lab を始めるにあたりいくつかオンラインサロンに入ってみました。その結果西野亮廣氏タイプの、「ユーザーは SNSで交流」、「支払いは別サイト」タイプのサロンが一番バランスがいいと思いました。しかし、一点気になった事がありました。それはアーカイブを読まなかった事です。

SNS で交流が進むオンラインサロンでは、どうしても過去の記事を読もうと思わない僕がいました。しかし僕は自分が発信する情報は古いものも含めてアーカイブを読めるようにしたいと思いました。

なのでその当時は有料記事を提供するなら僕は個人的に『クーリエジャポン』のようにコンテンツのアーカイブがきちんと読めるサイトがいいなと感じました。

台湾での選択肢

こうしてまずはウェブサイトを作り始めた僕達ですがその後 payment gateway をつけようとしたときに、様々な制限がある事に気づきました…

結論を言うと、世界的に有名な payment gateway のサービスの多くは台湾向けが『対応不可』だったんです…

そのせいで仕方なく現在の payment gateway を導入しています。この payment gateway を使うには支払いまでのステップを自分達でコードを書く必要があります。そして僕らは単純にそのコードを書く技術が足りてません。なので全ての責任は結局僕らにあります。

SNS を使ったログインも導入したいのですが、payment gateway の制限が原因で提供できていません…

今後のアクションとこの失敗からの学び

最後に、今回の UX が酷い失敗の原因をお話しします。3つあると思っています。

  1. 僕らがウェブサイトで色々しようとしすぎた
  2. 台湾にいる僕らの選択肢が思いの外少なかった事を知らなかった
  3. 悪条件に対応するための技術力が不足していた

1つのウェブサイトでサブスクコンテンツの提供と情報発信、及びコミュニティ形成はやりすぎだと思います。はい、僕バカです。この件に関しては今後もう少し様子を見て既存サイトがダメだったらスパッと切り替えたいと思います。

皆様にはまたまたご迷惑をおかけしますが、その際はご協力よろしくお願いいたします。

一応うちの開発者には自分でできないなら外部のヘルプもどんどん入れろと指示しました。

もしも台湾で有料のコンテンツサイトを作ろうと考える場合ご注意ください。以上 applemint 代表佐藤からでした!

本当にリアルな失敗体験談になりましたね…