Tesla が抱える問題と台湾の循環経済

こんにちは applemint 代表の佐藤です😎

今日のこのブログでは台湾の循環経済についてちょっとお話をしていきたいと思います。今世の中では SDGs や ESG やら流行っていて、環境に良いことをしよう!という気運が高まっています。

昔からリサイクルや再利用を通して環境を保護しようという概念はあったと思うのですが、それが中々進んでこなかった理由はお金でしょう。

例えばアパレル業界ではリサイクルが中々進まず、結果的にアパレル業界は世界で2番目に環境を汚染している産業と言われていたりします。その原因の一つは、衣類のリサイクルが皆さんの考えている以上に手間がかかるためです。詳しくは以下のブログに書いています。

上のブログを要約すると、衣類って多くの場合リサイクルするより新品を作った方がコスパがいいんです。例えば綿100% と思っていた服に化学繊維が混ざっている事はザラにあって、リサイクルする場合は、それらをいちいち綿と化学繊維で分けなければいけません。超面倒です。

日本ではゴミの分別が厳しく、皆さんプラスチックと燃えるゴミは分けて出しています。

leo

あれもどこまできちんとリサイクルされているかはわかりませんが…

台湾に関してはかなり適当で、僕は先日日本人の感覚でスーパーのお肉や野菜が入っていたプラスチックの容器をマンションの「プラスチックゴミ」の箱に入れたら管理人から注意されました(苦笑)

管理人からは、「それはプラスチックのゴミじゃない!燃えるゴミだ!」と言われちゃったのです。

leo

管理人いわく、「プラスチック」のゴミとはペットボトルの事らしいです

これは恐らく台湾ではプラスチックのリサイクルはコスパが悪く、リサイクルが進んでいない証拠かと思います。では、コスパがいいリサイクルって何でしょう?

僕は電池かなーと思っています。今日はそんな電池の現状と僕が知る範囲で台湾における電池の循環経済についてお話をしたいと思います。

イケイケな Tesla が抱える唯一の問題

Tesla は電気自動車の会社であると同時にバッテリーのマネージメントシステムの会社とも言われていたりします。電気自動車にバッテリーが欠かせない事は皆さんご存知かと思います。

一般に電池はエネルギーを溜めすぎる事は出来ず、 容量が 100% の電池はマックス100%しか充電できません。100%を超えると爆発します。電気自動車のバッテリーの課題は如何にエネルギーを 100% 以下に抑えるかという事と、運転中に消費したエネルギーを如何にして再び回収するかの2つです。

ただ、今日このブログでお話をしたいのは電池の充電システムの問題ではなく、近い将来そもそも電池が足りなくなるというという事です。

電気自動車や携帯電話に使われているのはリチウム電池という電池です。多分聞いたことありますよね?この電池を作るには、リチウム、ニッケル、コバルト、銅といった資源が使われています。

今後数年の間にこれらの資源をめぐって電池を奪い合う競争が激化すると言われています。現在、電気自動車といえばテスラや日産の電気自動車を思い浮かべる人は多いと思いますが、電気自動車はガソリン乗用車よりも新規参入のハードルが低いため、今後は色んなメーカーの参入が予想されます。

参考:Electric Vehicles to Drive Massive Battery Demand: BNEF Chart

加えて、モバイルデバイスも引き続きリチウム電池が使われるでしょう。世界の Tesla は一応先手は取っていて、いくつかの鉱山を買収しています。

ただ、バッテリーが不足する理由は資源が枯渇するからというより採掘と生産が問題になりそうです。イーロンマスク氏は2022年5月のフィナンシャルタイムズのインタビューでバッテリーは資源が問題ではないと答えています。

リチウム電池の生産とリサイクル

リチウム電池の資源は主に南米とインドネシアで採掘され、それが中国に運ばれて精製されています。Tesla の場合、中国で精製された資源がアメリカのギガファクトリーと呼ばれる工場に運ばれます。

採掘作業は環境に全然優しくありませんし、中国で精製した資源をアメリカのギガファクトリーに運ぶことも環境に優しくありません。そこで、今注目されているのがバッテリーのリサイクルです。

Redwood Materials という会社をご存知でしょうか?元Tesla の共同創業者 (JB ストラウベル氏) が立ち上げた会社なのですが、この会社はバッテリーのリサイクルをしています。バッテリーの金属って長く使ってエネルギーを充電できなくなっても、金属自体が古くなる訳ではありません。

つまり、バッテリーはリサイクルする技術さえあれば、とても効率よく作れるという事です。Redwood Materials では独自の技術でバッテリーからリチウム電池の原料となるグラファイト、アルミニウム、ニッケルなどの 90%以上をリサイクルできると言われています。

バッテリーをリサイクルするコストは、採掘&輸送をするコストと比較したら利益率が非常に高いと言われています。Redwood Materials は既に Tesla に電池を供給しているパナソニックやアマゾンとビジネスパートナーを組んでいて、Tesla は将来のバッテリー競争に今から備えているなーと改めて感心させられます。

台湾のバッテリーリサイクル事情は

では台湾のバッテリーリサイクル事情はどうでしょうか?まず、僕の家や台北市のルールだとバッテリーは当然資源ゴミとして扱われています。しかし古いスマートフォンやパソコンの電池を積極的に回収している会社があるかと言われれば、少々疑問が残ります。

パソコンやスマートフォンを回収する企業はよほどの信頼性がない限り、消費者から回収する事は難しいでしょう。過去にコンピューターから芸能人のプライベート写真や個人データが流出している事もあり、消費者は回収業者を警戒しています。

そこで、僕が回収業者なら apple やその他メーカーと手を組みます。apple では古いスマホを持っていくと、スマホの状態に応じてギフトカードが渡されます。何より、apple のような大企業に回収されればデータが流出する心配はないので、多くの方は apple に macbook や iphone を持っていきます。

しかし先日僕の友人が古くなった macbook air を apple に持って行ったところ、回収できないと言われました。理由は角が凹んでいたからです。 apple はリサイクル業者ではないですし、積極的に回収する必要性は確かにないのですが、これは台湾の apple がリサイクル業者と積極的に取り組んでバッテリーのリサイクルをしていない事を示唆しています。

コチラの記事によると、台湾の電池のリサイクル率は47%で、2025年までの台湾のリチウム電池廃棄物は年間1,100トンに達すると言われています。これは何とももったいない事象です。

記事の中では、ある関係者は、「台湾人にもっと気軽にスーパーやコンビニなどで電池を回収できるようなシステムや呼びかけが必要だ」と述べています。

しかし台湾のコンビニやスーパーからデータが流出した場合、彼らはリスクを取るでしょうか?少なくともコンビニはみなさんフランチャイズ経営なのでそれぞれのオーナーが回収業によほどのうまみを感じないと難しいでしょう。

次に消費者に電池の回収を積極的に伝える広告宣伝費はどうするか?これは政府主導でやるべきだとお思いますが、政府に予算がなければ進まないでしょう。

今回日本の状況については特に話していませんが、日本も台湾同様に資源が乏しい国なので、環境保護や SDGs などの目的以外にもバッテリーの積極的なリサイクルに取り組まないといけないと思っています。

以上 applemint 代表佐藤からでした!