カタールワールドカップ現地で見た、UX/UIデザインへのこだわり
みなさんこんにちは、applemint 代表の佐藤 (@slamdunk772) です。
今日はカタールワールドカップで現地ドーハにいた時に、僕がとても気になった ワールドカップの UX や UI (ユーザーインターフェイス)についてお話をさせてください。
UI とは消費者が触れるサービスや商品の接点になります。例えば、サッカー観戦というサービスでは、消費者がサッカー観戦するにあたって触れる「スタジアム」、「ポスター」、「案内」などのグラフィックを UI と考えてください。
次に、サッカー観戦を通して得られた喜びや快適な体験は UX (user experience) と呼ばれます。
スタジアムまでのアクセスなんかも UX ですね。
日本がドイツ戦に勝った後の UX は最高でした。これはすなわち、サッカーチームが顧客に優れた体験を提供するには、ユニフォームやグッズより究極には「勝つ」事が最善と言えるでしょう。
今日みなさんにお話をしたい UI とは、FIFA がカタールワールドカップを最高の体験にするために、顧客との接点(案内やグラフィックなど)でどんな事がされていたか?というお話です。
それではどうぞ!
カタールワールドカップで使われていたフォント
カタールについてからまず目にしたのは、少しポップで長い線が特徴的なワールドカップフォントです。どこのデザイン会社が開発したかはわかりませんが、とてもいいフォントだと思います。
アラビア語も英語と同じようなデザインで、街の至る所でこのフォントを見る事が出来ました。
少し余談ですが、世界で人気のフォントの1位はアルファベットで、多くの企業が日々新しいアルファベットを開発していますが、アラビア語も人気です。
アラビア語の使用人口は4億人以上おり、割と市場もある事からアラビア語も色んな企業が開発に力を入れています。
問題は繁体字で、使用する人が香港と台湾にいる数千万人に限られるため、フォントの市場がなく、繁体字の改善は中々進まないのが現状です。
台湾の街中で見る看板などのフォントが古臭いのはフォントの改善が中々進まない事も原因かと...
話をワールドカップのフォントに戻します。今回このフォントが本当に至る所で使われていて、その徹底ぶりにはかなり感心しました。
以下は空港や地下鉄、街中、パンフレットでフォントが使われていた事例です。
「だから何?」って思うかもしれませんが、人は同じフォントを繰り返し見ると、次からフォントを見るだけでワールドカップを想起する事ができるようになります。
これによりワールドカップへの思いが強くなり、よりワールドカップの記憶が残りやすくなるでしょう。
また、同じフォントを使うと世界観を統一できます。
東京オリンピックでフォントの統一がどこまで徹底されていたかわかりませんが、僕は今回初めて空港からバスまでありとあらゆる場所でフォントが統一された光景を見ました。
恐らく東京オリンピックもかなり広範囲で統一していたと思いますが、台湾だったらこの辺は手を抜いていた気がします(苦笑)
今回ワールドカップに参加して、東京オリンピックを無観客でしたのは勿体無いかったなーと感じました...