台湾商業施設の2025年7月現在の現状:なぜ優良立地でもテナントが集まらないのか

みなさんこんにちは、applemint 代表の佐藤 (@slamdunk772) です。

今日は少し過激なタイトルでお届けしますが、2025年7月現在の台湾の状況についてお話ししたいと思います。

タイトルにもある通り、今、世界はものすごいスピードで変化しています。

その中には、すでに予測できる未来もあれば、そうでないものもあります。

たとえば、先日僕が購読している『クーリエ・ジャポン』では、こんなタイトルの記事が掲載されていました。

AI自動運転で変わる「移動時間」 自動車メーカーは“体験のデザイン”へ

有料記事の内容を詳しく紹介することはできませんが、ざっくり言うと「自動運転の未来は確実にやってくる。そのときには移動の概念自体が変わり、車の形や内装も大きく変わっていくだろう」といった内容でした。

今後は下手したら三階建てみたいな車が出来て、一階はテレビ視聴やゲーム、2-3階は寝室みたいなのも実現するかもしれません。

ただし、残念ながらその未来がいつ訪れるのかは、現時点ではほとんど予測がつきません。

台湾でも、数年前まではうまくいっていた施策が、時代の変化に伴い気づけばすっかり通用しなくなっている、ということがよくあります。

逆に、以前からうまくいっていなかった施策やサービスが、さらに厳しい状況に追い込まれているケースもあります。

時代の変化があまりにも早いために、その波に乗り遅れ、結果的に望ましくない商品やサービスを提供せざるを得ない、という現実も出てきています。

今回は、最近お客様から聞いた「ちょっと困った台湾の営業事情」や、今まさに肌で感じている変化について、お話ししたいと思います。

最近台湾で増えている〇〇営業

applemint のクライアントの中には、台北で複数の店舗を展開している企業がいくつかあります。

そうした企業の方々と話す中で、最近気づいたことがあります。
それは、商業施設を運営するデベロッパーからのテナント誘致の営業が、以前よりかなり激しくなっているという点です。

例えば、新北市・板橋のグローバルモールや、台北駅すぐそばの「台北Qスクエア」などから、最近営業の電話やメールがめっちゃくるそうです。

これを読んでいる方の中には、これらの商業施設に詳しくない方もいるので、ご説明すると、Qスクエアといえば、少し前までは完全に“売り手市場”で、入居希望者が多く、デベロッパー側がテナントを選ぶような立場にありました😤

それが、今では向こうから営業してくるというのですから、ちょっと驚きです‼️

僕自身、最近Qスクエアには行っていませんが、立地は台北駅のすぐ近くですし、行けばそれなりに人出はあると思います。

特に最近の台湾では、「商業施設=飲食目的で行く場所(フードコートやレストラン)」というイメージが強く、フードフロアには人が集まっているはずです。

それでも、わざわざ営業をかけてきているということは、テナント側が何らかの理由で撤退しているからでしょう…🤨

ちょっと気になる動きです…

適当な台湾企業の商業施設運営

ここ最近に限った話ではなく、数年前から台北では、商業施設や路面店の空きテナントについての話をちらほら耳にします。

そして、以前から現在に至るまで「これはちょっとひどいな」と感じるのが、台湾における商業施設のずさんな管理体制です👊

あるクライアントは、つい最近とある商業施設からの撤退を決断しました。その理由は、2度目の「移転要請」があったからです。

このクライアントはもともと1階にお店を構えていましたが、商業施設側の都合で上階へと移転させられました。
確か3-4年前の話です。

あ、もちろん契約中にですよ😅

これだけでも十分に理不尽な話ですが、更にやばいのは、台湾ではこうした移転にかかる内装費はすべてテナント側の負担って所です…oh no😱

あ、ちなみに商業施設側で停電トラブルが起きて商品が腐っても補填はないそうです…

鼎泰豊やユニクロのような大手であれば、補填してくれるかも…😅

それはともかく、勝手な移転命令は常識的に考えれば、契約違反です。

こうして 3-4年前に嫌な思いをしたばかりなのに、また移転命令ですよ…

ということで、その企業はついに撤退を決めました。

This is Taiwan です。

まーでも僕が思うに、こういうのは台湾の商習慣においては常識なので、商業施設を運営する企業側も、必ずしも悪意があってやっているわけではないのかなーと思います(それはそれで厄介)

とはいえ、このような“適当さ”があることで、結果的に商業施設全体のコンセプトにも一貫性がなくなり、魅力に欠ける場所になってしまうケースが結構あります…

時代の流れについていけなかった地下街

最近、applemint のクライアントがある商業スペースから営業を受けました。
その場所は「中山地下街」です。

みんな知ってますか???

中山地下街は、台北の中山駅から雙連駅の間にある地下街で、中山駅と直結しているため、一見すると立地は最高です。

しかーし、実は昔から「人通りが少ない地下街」として知られている場所でもあります👊

気になって、日曜日の昼12時ごろに実際に足を運んでみたのですが、予想どおり人はまばらでした…(6/29)
これが平日だったら…と考えると、多分全然人いないでしょうね😅

なぜここまで人が少ないのか考えてみました:

1. 地上の赤峰街の方にむしろ人の興味が集まっている

2. 地下街としての明確なコンセプトがない

この辺が原因かなーと思います。

中山地下街は、僕の記憶ではかなり昔から存在していて、Wikipediaで調べたらなんと2000年代初頭からあることがわかりました‼️
おそらく当時はある程度の人通りがあったのでしょう。

ただその後、中山駅周辺は再開発が進み、地下街の真上のエリアには週末限定の出展スペースが設けられたり、赤峰街のカフェや美容院、アパレル店などが話題を集めるようになりました。

一方で、地下街は運営会社の変更などもあり、明確な方向性やコンセプトを打ち出せず、結果として「何があるのかわからない場所」になってしまったように思います。

そうなると、人々はわざわざ地下に降りず、地上でショッピングや食事を楽しむようになりますよね(夏のクソ暑い時でも)

本来であれば立地は抜群なだけに、少しもったいないなと感じています。

日系企業をカモろうとする企業

中山地下街を悪く言うつもりはありませんが、もし僕が営業を受けたら、正直入居はしないと思います…sorry lah🙏

これまで何年も人を集めることができなかった場所が、今後急に集客できるようになるとは思えないからです。

ただ、僕は運営側ではないので、もしかしたら人はめっちゃ入っているかもしれません。

残念ながら日本にいると、台湾の現地の状況がわかりません。ChatGPT も答えてくれませんし、答えても信じられません。

その結果、一部の会社が他の会社には売れない商品やサービスを台湾にいない日系企業に売ろうとするんでしょうね…

まー中山地下街は立地だけで見ると本当に良い場所ですし…

「中山の一等地でポップアップストア出店できますよ!どうですか?」なんて言われたら、たしかに魅力的に見えるかもしれません。

でも、実際に台湾で商売している人からすると、最近ポップアップ出店の提案や営業される商業施設って、「そこはちょっと…」という、いわば “NG立地” のケースがかなり多い気がしています。

たぶん、十中八九は「カモろう」としているんじゃないかと思います(今回のケースがそうとは限りませんが…😅)

あと厄介なのは、その“カモろうとしている側”が、台湾にいる同じく日系企業だということなんですよね…

みなさん気をつけてください!

以上、applemint 代表佐藤からでした!