【同じミスは繰り返される】台湾企業への営業極意

みなさんこんにちは、applemint 代表の佐藤 (@slamdunk772) です。

今日は最近増えている台湾出張者に対して、少し耳が痛くなるような、台湾現地の企業の本音をお伝え出来ればと思います。

結論から言うと、台湾の現地の企業の中には、日系企業の営業をあまり快く思っていない企業がいます。それはなんでかと言うと、コミュニケーションが一方的だからです。

多くの日系企業が台湾人に日本旅行をしてもらいたいのはわかりますが、だからと言って、「台湾人来てください!」とばかりコミュニケーションをするのは有効ではありません。

今回のブログでは、台湾現地の企業の間で起きている現状と、今後日系企業が台湾企業に営業する際に必要となるコミュニケーションについてお話をします。

加速するホテルやインバウンド関連の営業

現在台湾の現地旅行代理店や日系の旅行代理店の下には多くの観光関連の企業さんが殺到しています。毎週どこかしらの都道府県のホテルや観光関連者が台湾へ訪問し、営業活動を行っていると言っても過言ではないでしょう。

この営業活動自体は珍しいことではなく、コロナ前もありました。ただ、コロナ前から今日まで共通しているのが、多くのホテル/観光関連企業さんは自分達の目線でばかり営業活動をしているということです。

実際台湾の旅行代理店に勤める知り合いからは、「日本から毎週もう来なくていいよ…」という愚痴を聞いたことがあります😓

例えば日本からどなたかが台湾の旅行代理店さんに営業する場合、旅行代理店側は少なくとも1名は日本語が喋れるスタッフが参加します。そのほかにお相手の方に失礼のないように課長クラスの方が一名同席するでしょう。

この2名が会議に参加する時間をコストに換算すると、3000 – 4000NTD分はかかると考えていいでしょう。では、台湾の旅行代理店が3,000 – 4,000NTD のお金を払って日本のホテルや都道府県の自慢話を聞きたいか?と言うと疑問が生じますよね?本来なら会議に費用が発生してもおかしくない所を、みなさん我慢しているということです。

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というか僕はもはや費用を渡してもいいのでは?と思っていたりします。

会議の時間が直接儲け話になるならともかく、旅行代理店側も毎度自慢話で終わってしまう人が来る事がわかってきたので、日本からの営業を敬遠し始めたという事です。

実績がない企業をなぜ使いたい?

では旅行代理店側はどういう話を持っていけば喜ぶでしょうか?それは儲け話です。ここで旅行代理店側の儲かるための重要な要素を改めて分解します:

  1. リピーター(プランを気に入ってくれる)
  2. マネタイズポイントが多い事(手数料を取れるため)
  3. 台湾人に魅力的なプラン(新規獲得)
  4. 卸値が安い

その他にもあると思いますが、ざっとこんな感じだと思います。台湾に営業に来られる日本の観光従事者は、#3 をアピールしてきていると思います。

では、これをご覧の読者にちょっとご質問をします。僕の共同創業者のエリックが突然みなさんの前に出てきて、「台湾の花蓮が最高です!」とお伝えして、花蓮の魅力をアピールしまくったら行きますか?(花蓮をディスっているわけではありません)

お金の問題はもちろん、一般的に人々は知られている場所に行く傾向があります。知らない場所に行くのは旅行玄人です。

何が言いたいかと言うと、パリでもロサンゼルスでもミラノでも、観光客がそこへ行くのは、過去から現在に至るまでそれらの場所へ行く人がめちゃくちゃいて、それらの場所へ行けば問題ないと思っているからです。

話を日本の旅行従事者に戻すと、彼らが台湾の旅行代理店に営業に行く際に足りないのは “台湾人がそこへ行っている/その場所に興味を示している” という根拠だと僕は考えています。

「まだ台湾人が来た事がないから台湾人を呼ぼうとして営業に来ているんだ!実績なんてない!」と言う方がいるかもしれません。

しかし、実績まで行かずとも、”台湾人が興味を示している” 事はお金で買えます。例えば Facebook 広告を台湾人に対して行い、台湾人からのコメントやイイね数は、台湾人が興味を示している証拠になります。

その他に繁体字の YouTube をアップし、 YouTube 広告をして視聴回数を稼げばそれも立派な証拠になるでしょう。今回僕らは知床第一ホテルさんの来台に合わせて、簡単な実績資料を作りました:

彼らの台湾での営業がうまく行く事を願っています。

今回、台湾の旅行代理店さんがマネタイズで重視するポイントを分解しただけで、こんなにアイデアが出てきました。”台湾人が興味を示している証拠” の他にも代理店のマネタイズポイントを増やすため、ホテルならビュッフェだけでなく、レストランやスナック、カラオケなどアクティビティを増やせば、代理店が手数料を取れるポイントが増えます。

実はマーケティングとはこうして相手の事を考え、適切なコミュニケーションを取る事も含まれます。

対面営業の重要さは僕も理解しているので、台湾に営業に行く事は当然プラスにはなるでしょう。問題はその営業活動が中々結果に結びつかず、失敗が共有されていないことです。会社は他の競合に情報を渡したくはないので、失敗した話なんて回ってきません。