【台湾人向けインバウンドの隙間】儲かる地方のお店の対策

みなさんこんにちは、applemint代表の佐藤です!

今日は台湾人向けインバウンド施策がうまくいっているお店のお話をします!

先日台湾人向けインバウンドプロモーションで有名なジーリーメディアの方と対談動画を撮ったのですが、その時の話がとても興味深かったので共有します!

1-2ヶ月後にその時の動画の様子をYouTube でもアップすると思いますが、今回は情報先取りって事で、皆さんには対談した際に興味深かった話を要約してお届けしたいと思います!

結論を少しお話をすると、インバウンドでうまくいっている企業は、台湾人の目線に立ってサービスを調整しているって当たり前の話です😅

具体例をご紹介しますね!

わんこそば東家の事例(岩手県)

皆さんは、岩手県盛岡市にある「わんこそば」で有名な東家というお店を知ってますか?

実は僕の実家の近くにあり、よくお世話になっています。
ちなみに僕が行くときは、わんこそばではなくカツ丼をいただくことが多いです👍

東家では、観光客向けにわんこそばを体験できるスペースと、一般客向けに定食を楽しめるスペースが分かれています(1階が定食用、2階がわんこそば用)

そんな東家が、実は台湾人観光客の集客に成功しています。
理由は「ベジタリアン対応」です。
台湾では人口の10〜15%がベジタリアンだと言われていて、日本を訪れる台湾人観光客の中にも当然ベジタリアンが含まれています。

一見10〜15%という数字は少数派に思えますが、実際に対応しているお店は地方では非常に少ないため、ベジタリアン対応をするだけでその顧客層を一気に獲得できる可能性があります👍👍

日本の地方のベジタリアン対応

東京や大阪では、すでにベジタリアンレストランが数多く存在しています。京都も精進料理とか有名ですよね。

一方で地方に目を向けると…..ベジタリアン対応をしていないお店が多いのが現状です…👊

例えば岩手の場合、特産品として前沢牛や三陸の海鮮を提供するケースが多く、ベジタリアン向けの特産品そのものが存在しないことも少なくないです。

さらに、一般的な料理をベジタリアン向けにアレンジする取り組みも、ほとんど行われていないのが実情です。

動物性ダシの問題

以前、applemintに勤めていたベジタリアンの従業員が、日本の「かつおだし」についての悩みを打ち明けてくれたことがあります。

例えばお味噌汁。具材はわかめや豆腐など動物性のものを入れなくても、かつおだしを使うケースが結構あります。

しかも日本のお店はそれがデフォルトで、お味噌汁の出汁は何を使っているかなんてメニューに書いてくれません。

その元スタッフはそこまで厳格なビーガンではなかったので、「動物性のだしかどうか分からない場合は、諦めて食べる」と話していました…

とはいえ、やはり理想は植物性のだしです。

東家の昆布だし対応

岩手県盛岡市にあるわんこそばで有名な東家では、動物性のだしを避けたい人のニーズに応え、昆布だしのわんこそばを提供しています。very いいですね。

これは二つの点で、本当にいいなーと思ってます。

1. 台湾人を含む、ベジタリアンのインバウンド顧客へのアプローチ

2. 岩手の名物・特産品をベジタリアン向けにアレンジ

岩手といえば、冷麺・わんこそば・じゃじゃ麺が代表的な名物料理です(僕はどれもあまり好きじゃない…😅)

観光客であれば当然それらを食べたいと思うわけですが、ベジタリアンにとっては地方の特産品/グルメって結構ハードルが高いんですよね。

なぜなら何が入っているかわからないからです。

肉が入っていなくても、だしに動物性食材が使われていればNGなんで…

その点、東家は「昆布だしで作っている」と明確にアピールすることで、ベジタリアンでも安心して岩手の特産品/グルメを楽しめる環境を提供しています。

一蘭がベジタリアン向けに豚骨ラーメンをアレンジして提供しているように、地方の特産品もベジタリアン仕様に工夫すれば、かなりの需要があるものの、地方ではそれを意外なほどやっていないレストランが多いんだそうです。
→めっちゃ同感😆

例えば秋田なら、きりたんぽ鍋を鶏ガラではなくキノコや昆布で出汁をとって提供して発信するだけで、ベジタリアン客を一定数取り込めると思っています(「そんなのきりたんぽ鍋じゃない!」と反発する人は無視で😅)

地方居酒屋の外国人対応

最後にお話ししたいのは、日本の地方における「お店が開いていない問題」です。

東京とは違い、地方ではお店が早く閉まってしまうケースが多いですよね。

屋久島に行ったときなんて、夜7時には9割のお店が閉まってんじゃね?とさえ思いました😅

じゃー遅くまで開いているお店はどこかというと…大抵は居酒屋です。

台湾人が居酒屋に行きたくないわけではないのですが、問題は「居酒屋側の受け入れ体制」にあるんだとか。

具体的には、台湾人を歓迎しないお店が少なくないとのこと。
理由は人種差別とかそういうのではなく、「台湾人がお酒をあまり飲まずに長居する」からなんだそうです😅

わかる〜〜!!
台湾人の方は水と定食で3時間とか喋れたりしますからね!
→あ、ディスってるわけではなく😆

しかも店主からすれば、お客さんに直接「お酒を注文してください!怒」とは言いづらいですしね…

その結果、店主は口には出さないものの、お酒を頼まず定食のようなものだけ注文して長時間おしゃべりしている台湾人に不満を抱いているそうです。

台湾人も地方では、居酒屋は居心地が悪くて部屋で食べるようになった人も増えているんだとか..

あと、地方はそもそもほとんどのお店が早く閉まるのでコンビニやスーパーで買って部屋で食べる人は一定数いるそうです。

僕もコロナ前のまだ今より円高だった頃はホテルで台湾人がカップ麺を食べている姿をよく見ましたが、円安が進んだ今はあまり見かけなくなった気がします。

なんかもったいないですよね…😭

で、僕が思うに対策は単純で、外国人が来店したら「ドリンクは必ずお一人2杯」とメニューに記載すればいいと思うんですよね。

居酒屋側の不満は、”外国人のお客さん” ではなく「ドリンクを頼まずに長居して客単価が低いお客さん」だと思います。

だったら強制的に頼ませればいいかと…

先日ブログで紹介した台湾の某日系居酒屋では、ドリンク2杯のルールを設けています。

繰り返しになりますが、台湾人はドリンクなしで平気で2-3時間おしゃべりしたりしますからね…

ですが、それによってこの日系居酒屋さんではお客さんが減っているかといえば全くそんなことはなく、僕が行くといつも満席です。

やり方次第でいくらでも改善できるのに、日本の地方ではとても勿体ない取りこぼしが起きているなと感じました。

日本は歴史的建造物があり、自然も豊かで、食事も美味しく、観光資源は本当に無敵だと思います。

ただ同時に、まだまだ改善の余地があるんだなーと改めて思いましたね。

以上、applemint 代表の佐藤でした!