スピードがなくチャンスを逃す実例とマーケティング思考の欠落

みなさんこんにちは、applemint 代表の佐藤 (@slamdunk772) です。
今日は、スピードを持って動かないとチャンスを逃すと感じた実例をご紹介した上で、台湾に進出する日系企業がなぜことごとく失敗するのか、マーケティング思考をベースにお話をします。
海外に限らず日本もスピード持って動かないとどんどんやっていけなくなっています。
月単位で値段が変わるインフルエンサー

インフルエンサーの料金は毎月変動します。これはフォロワー数の増減によるものです。そのため、インフルエンサーに見積もりを依頼する際は、「見積価格の保証期間」に注意する必要があります。
日系企業でよくあるのが、「インフルエンサーの手配をお願いします」と僕らが相談を受けた後、1ヶ月ほど何の動きもなく、見積もりを提示してから1〜2ヶ月後に正式に依頼をするというケースです。
その間に価格が変わってしまい、企業側から「いやいや、〇〇円で見積もりをもらったはずでは?」と不満を示されることがあります。しかし、これはどうしようもないんです😅
個人的には、こうした「後出しジャンケン」的な状況は避けたいのですが、実際に価格は変動します。なぜなら、ほとんどのインフルエンサーはフォロワー数が増える傾向にあるためです。
基本的に、特定の商品を除いてインフルエンサーの起用は必須ではないと思っていますが、起用するなら早めに決断するべきです。そもそも、選定にそこまで時間がかかるなら起用しない方がいいです🙃
もし、まず費用感を知りたいだけなら、今の時代 ChatGPT に聞けば、かなり正確な相場を教えてくれます。
こう言うと、何か言われるかもしれませんが、日系企業は「機会費用」の概念を正しく理解していないように感じます。
機会費用とは、ある決断をしたことによって得られなかった利益のことを指します。日系企業の多くは「何もしなければコストはかからず、損をしない」と考えがちですが、そうではなく...
「何もしない」という選択をしたことで、本来得られるはずだった利益を逃していることも事実等してあるでしょう。
今回のインフルエンサーの例でいえば、1ヶ月決断を遅らせると、結果的にインフルエンサーの費用が上がり、損をします。
2ヶ月前はOKだったのに...

さて、ここから、実際の事例をお話しします。
昨年(2024年)の12月、僕らはある化粧品ブランドのクライアントから、インフルエンサーの手配を依頼されました。
プロモーションするのはファンデーションです。長持ちするのが訴求ポイントということで、どのようなターゲットにニーズがあり、どのインフルエンサーを通じてPRすれば効果的かを検討した結果、「アナウンサー」に着目しました。
アナウンサーは長時間カメラの前で話す仕事のため、化粧崩れしにくいファンデーションのニーズが高いと考え、実際にオファーしたところ快諾してもらいました。
これは、去年の12月の話です。
その後僕らは広告用のコンテンツ制作に向けた企画を進めました。
しかし、その後クライアントから「予算の確保が難航している」と連絡があり、1ヶ月間インフルエンサーの手配がストップ。そして、ようやく予算が通り、アナウンサーへ正式に依頼しようとした矢先、なんとNGの返答が来たってわけです…
その理由は「会社のリストラ(厳密には社内の自主退職の要請)」でした。
このアナウンサーが所属するテレビ局では、旧正月明けに一部の社員がリストラの対象になったそうです。
ご本人は直接影響を受けなかったものの、上司に化粧品PRの件を相談したところ、以前は許可されていたのに今回はNGとなりました。
上司の説明によると、「商品PRが広告として会社の上層部の目に留まると、『アナウンス業以外でもやっていける人材』と判断され、リストラの対象になる可能性がある」とのことでした。なるほどーって感じですね🙂
アナウンサーの方ご本人としては副収入を得たいにもかかわらず、断らざるを得なくなってしまいました。
この出来事により、インフルエンサー探しは振り出しに戻り、再度クライアントの確認を取りながら新たな手配を進める必要が出てきました。
アナウンサーを起用していれば、実際にどれだけ売れたかは分かりません。しかし、決して高額な案件ではなかっただけに、時間をかけた結果、無駄になってしまったことは非常にもったいないと感じました。
インフルエンサーの施策は、迅速な決定が重要だと感じる、ほんの一例に過ぎません。他にも色々スピードが欠如したことによる機会損失はあります。