台湾起業7年目の苦悩と会社経営の終わり

みなさんこんにちは、applemint 代表の佐藤 (@slamdunk772) です。

今日は会社経営の終わりというテーマでお話をしたいと思います。会社を経営するということは子どもを持つようなもので(子どもを持ったことはありませんが 苦笑)、急に放棄をする事は難しい訳です。

最近何かと話題の Nvidia の台湾人創業者がもし時間を戻せたら起業をするか?と問われた事に対して、「いや、しないと思う。」と先日答えていました。

その理由は起業して会社を経営する事がこんなに大変な事だとは思わなかったからだそうです。僕は少し違う意見で、また起業をすると思います。

ただ台湾で起業して小さい会社ながら経営を続けて思うのが、「果たしていつ終わるのか?」という事です。プロのアスリートは引退をすれば一応辞められます。

経営者は会社を売却でもしない限りはお客さんの期待に応えている限りは続けます。そこには一種の責任感みたいなのがあり、SMAPや嵐が20年以上活動を続けられたのも、もはや自分のためではなく、ファンやお客さんのためだったと思います。

今回のブログでは台湾起業7年目の僕の現時点での正直な経営に対するお話しをしたいと思います。

台湾会社経営の悩み

会社を経営していると色々な浮き沈みに見舞われます。いい事もあれば悪い事もあり、むしろ悪い事の方が多いし、鮮明に覚えます。

最初のショックはコロナウイルスでした。ただ正直なお話をすると、コロナ前に本当に幸いな事に現金をかなり稼ぐ事が出来、社員も5名だったので財務的な心配はそこまでありませんでした。

ショックだったのは人材の離職です。コロナの時期に今まで採用したスタッフ3人が半年以内に全員辞めました。初めの子はうちで2.5年勤めたベテランで(台湾では2年働けばベテランw)、彼女はその後独立しました。もう1人の子も追うように3ヶ月後により待遇の良い大企業へ転職しました。そしてもう1人の子も3ヶ月後に独立しました。

その3人の平均勤続年数は1.5年ぐらいだったと記憶しています。

僕らみたいな小さな会社だとお客さんが抜けるより人材の離職が僕的には精神的に来ます。あの当時はかなり悩んだものです。

色々考えた結果、ちょっと厳しすぎたのかなーと思い、その後は社員に対してかなり丸くなったと思います。

また、その当時抜けたスタッフに、「当時はレオとの距離が遠く感じた」と言われたので、スタッフとのコミュニケーションを強化し、距離を縮める努力をしました。

スタッフと距離を取っていた背景としては、僕はその当時スタッフと距離が近くなりすぎると規律が乱れ質が落ちると考え、距離を取っていましたが、これが一人目のスタッフの離職につながりました。

現在スタッフはそこまですぐに辞めなくなり、辞めたとしても辞めた後も良好な関係を築けるようになりました。

しかしその結果なのか、今年に入ってからクライアントのうち3社が契約の更新をストップしました。

仲良しのチームは弱い

野球の野村監督は仲良しのチームは弱いと言った事があります。これはすごくわかります。会社にも同じ事が言えると思っていて、仲良しの会社はミスが起きても追求せず、規律が乱れ質が下がります。

僕はミスがあればスタッフに対して必ず言いますが、コロナの時の経験を踏まえてか、厳しさは減ったと思います。それが結果的に質の低下に繋がり、顧客の離反が起きたと思います。

ではまた厳しかったときに戻すかと言えば、それは悩ましいところです。日本人はまだ仕事に対するストレスの耐性があると思いますが、台湾では日本以上にスタッフへのアプローチは気をつけないといけないと思っています。

日本人は主に部活動を通してストレス耐性がある一方、怒られ慣れてない台湾の人はちょっと注意するのも気をつけなければいけません。

こうして僕はまだ6年という経営の時間の間に規律と距離のバランスを常に考え続けています。

この浮き沈みに終わりはあるのか?

Amazonプライムに all or nothing というイングランドのサッカーチームの舞台裏を描いたドキュメンタリーがあります。

これを見ていると選手や監督が普段感じているプレッシャーは僕なんかの比じゃないなーと思わされます。そんな彼らが拠り所にしているのが家族やチームスタッフです。

どんな時でも味方になってくれる存在はとてもありがたいもので、僕も共同創業者のエリックや妻に今までかなり助けられてます。

昔はヨーロッパのアスリートが家族をやたら大事にする発言をしていて、家族との絆がそんなに強くない僕は意味がわかりませんでしたが、今はすごい感じます。

ラグビー日本代表の稲垣選手が、「モチベーションなんてない」みたいな発言を以前日本のテレビのインタビューでしていました。彼曰く、モチベーションというものが存在すると、モチベーションがない時に練習ができないので、そもそもモチベーションに頼らない、と発言をしていました。

僕も仕事が習慣化し、もはやモチベーションというより、使命感で動いています。一方で、この使命感はいつまで続くのだろう…とふと思う時があります。

ある程度モチベーションをコントロールし、モチベーションを頼らない僕でもショックな事があると、「今までの努力はなんだったんだろう…」と感じます。これを読んで不安になられた方のためにお伝えすると、現時点で会社を売却しようとは思っていません。

そもそも売却できるようなレベルにないと思っています(苦笑)昨日幸いにも踊るハロウィンナイトというイベントで、日本全国の経営者とお話をする機会がありました。そこで経営者の方々がみんな共通してお話をしていたのが、離職と人材獲得です。

みなさん共通して、「もう全て外注してしまいたい」と言ってました(笑)みんな同じ悩みを抱えているんだなーと思いました。先週ショッキングな事があったので、経営者と同じ悩みをタイムリーに共有出来ただけで、すごいありがたかったです。

applemint は今後も走り続けますが、誠実で規律があり、結果を出す企業を今後も目指しますが、その過程で結構沈む時もあるというお話でした。

以上 applemint 代表佐藤からでした!