【2024年11月】最新の台湾ビジネス事情
みなさんこんにちは、applemint 代表の佐藤 (@slamdunk772) です。
今日は、2024年11月時点での最新の台湾ビジネス事情についてお話ししたいと思います。
今、台湾で何が売れていて、何が売れていないのかについて触れていきます。
さらに、今回は台湾だけでなく、香港向けに行った施策で興味深い現象が見られたので、その点についてもお話ししたいと思います。
それでは、どうぞ!
紳士服市場の不振
現在、applemintでは複数の靴メーカーの台湾向けプロモーションをお手伝いしています。そのうちの1社は、台湾の販売代理店に商品の販売を委託しています。
今回のお話は、その販売代理店からのお話です。
この代理店はもともと日本の紳士服や紳士靴の販売を担当していたのですが、コロナ以降、売上が著しく低迷しているとのことです。
担当者によると、コロナ以降、台湾では本当に紳士服やそれに合う革靴の需要が減ったといいます。原因は何なのか?リモートワークの増加?スーツを着る機会が減ったから?
色んな理由が考えられますが、最も大きな原因は、コロナ禍を経て、スーツを着る・革靴を履く習慣がリセットされたことではないかと思います。
例えば、知人のマッサージ店の社長は、コロナ終息から2年以上経った今も、以前のリピーターが戻ってこないと嘆いています。これは「マッサージへのニーズがなくなった」というよりも、そのお店に通う習慣が失われたためだと思います。
また、先日会食をしたある企業の社長も、コロナ前は定期的にヨガに通っていたのに、コロナ以降は一度も行っていないそうです。
この社長はもともと運動やランニングが好きではありませんが、運動の重要性は理解していて、以前はヨガに通っていました。しかし、一度習慣が途切れてからは、ほとんど行かなくなってしまったそうです。
これはつまり、人は誰もが自分を律するほど強くはなく、何かを続けるためには習慣化が重要だということを示しています。また、企業側も、消費者に「消費を習慣化」させることが大切だということがわかります。
同じようなことは『完訳 7つの習慣 人格主義の回復』にも書いてあります。
アダルトグッズ・会社の苦悩
先日、日本で有名なアダルトグッズ企業からお問い合わせをいただき、商談を行いました。なぜか僕の周りにはアダルト関連企業が集まってくるようです😅
このアダルトグッズ企業も、近年は「アダルト」というイメージからの脱却を目指しています。実は、これは多くのアダルト関連企業にも共通する動きです。
例えば、DMMも以前はアダルトビデオの販売・レンタルプラットフォームという印象が強かったですが、今ではサッカービジネス、証券ビジネス、ビットコイン、動画配信など、さまざまな事業を展開し、アダルトのイメージから脱却しようとしています。
とはいえ、アダルト関連のサービスを提供している限り、アダルト企業としての位置付けは避けられません。台湾では日本よりもアダルトに関する規制が厳しいのが現状です(その代わり見えないところでは日本以上に規制をかいくぐっているような気もしますが…😅)
今回僕が訪問した企業は今年、事務所を移転せざるを得ませんでした。理由はアダルト関連企業であるため、近くに学校がある場所では業務が難しいと大家さんに判断されたからです。
台湾には、「学校の半径〇〇メートル以内ではアダルト関連商品を販売してはならない」という法律があります。そのため、このアダルトグッズの企業は、自社商品を台湾で販売する際常に周りに学校がないか気を配っています。
ただし、この企業は自社オフィスで何かグッズを販売しているわけではありません…なので、法律にも触れていなかったのですが、アダルトグッズの会社というだけでビルのオーナーから移転を求められたそうです。なんとも理不尽な話です。
また、アダルト広告の規制も日本よりも厳しいと思います。
日本で問題のない検索広告も、台湾では問題視される場合が少なくありません。例えば、日本で「〇〇」というアダルト関連のキーワードに広告を出せたとしても、台湾では許可されないことが多々あります。
その一方で、台湾は興味深い国で、アダルトエキスポを盛大に開催します。なんとも不思議な国です😉
年間通じて強い虫除けスプレー
台湾(台北)は最近、かなり涼しくなってきました。これまでずっと暑かったのですが、ようやく11月らしい気候になった感じです。
東京も、気温が一桁になる日が増えてきた頃だと思います。そんな東京には今の時期、蚊はいないでしょうが、残念ながら台北には年中蚊がいます…
とはいえ、蚊も一年中活発に活動しているわけではなく、冬になると少し落ち着きます。そのため、虫除けスプレーの需要も徐々に減少します。例年、虫除けスプレーの販売は4〜6月にピークを迎え、夏には少し落ち着き、その後は販売が減少していきます。
ちなみにこれは例年のトレンドで、本来なら4-6月の時期に生産を増やして台湾の需要に応えたいところですが、日本ではまだ蚊がそれほど活発ではないため生産が行われず、台湾側は欠品になるケースが多いです。
なので毎年どうしても需要と供給のタイミングが合わないんですよね…
なんとも歯がゆい限りです。
僕らは、日本の虫除けスプレーを台湾で販売しているクライアントのプロモーションをサポートしていますが、最近、広告の文言を少し変えたところ、11月でも虫除けスプレーの売上が大幅にアップしました。
ではどう変えたかというと、「家庭用」から「キャンプ向け」というメッセージにしました。台湾ではちょうど11月頃から涼しくなり、キャンプに行きたくなる人が増える時期です。そして自然の中には蚊を含む虫がたくさんいます。
今回の広告文変更はうまく消費者のニーズに合わせて変えられたなーと思いました。
香港人の日本に対するニーズと渇望
最後に香港に関する話を少ししたいと思います。現在、applemintではホテルの台湾人向けプロモーションを行っていますが、それに加え、香港人向けのプロモーションも同時に実施しています。
これがなかなか好調で、時には台湾人よりも予約数が多いのではと思うこともあります。その理由は、円安の影響と香港人の所得の高さにあると僕は思います。
先日、香港のお客様がオフィスに来られ、ランチについて話していた際、「台湾(台北)のランチは安い!」とおっしゃっていました。現在、台北のランチ相場は100~150NTDで、日本円に換算すると500~700円ほどです。
僕自身はつい日本の値段と比較してしまうため、特別安いとは感じないのですが、香港から来た方にとっては安く感じるようです (大体1/2の値段)。
面白いのが、現在の円安により、台湾人も日本へ行くと何でも安く感じる事です。
つまり、台湾の物価を安いと感じる香港の人が日本に行ったら、さらに破格に感じるって事です😄
確かに香港人の人口は多くありませんが、日本に旅行する層は恐らく総じて所得が高く、また香港は非常にコンパクトで娯楽の選択肢も限られているため、日本旅行へのニーズは高いと思われます。
もし台湾人向けにインバウンド施策を行っているならば、少額でも香港向けに展開することをおすすめします。意外な成果が出るかもしれません。
以上、applemint代表の佐藤からお届けした、最近の台湾のビジネス事情でした!