【猫のいる生活】僕と台湾と猫の話

「ごめんなさい!あなた方にはうちの猫を引き取ってもらうのは難しいわ」。
僕と今飼っている猫たちの出会いは、とある団体から拒否されたことがきっかけだった。
僕と妻が猫を飼い始めたのは、2019年の秋だ。
二人とも猫が大好きで、それまで猫カフェにちょくちょく行っては、カフェで猫と触れ合うニーズを満たしていた。
少し話は逸れるが、台湾では猫カフェにおける猫との交流に関して新しい法律が制定された。
どうやら新しい制度では過度なタッチはダメらしい。要するに猫が嫌がることはしちゃダメってことだと思う。
今はすでに猫を飼っているからそんな必要はないが..
今日のブログでは、台湾の保護猫や僕と猫の生活について、箸休めに書きたいと思う。
台湾の保護猫

台湾に限らず日本でも、猫を飼うとなると主に3つのルートがあると思う。
一つはペットショップ、もう一つは知り合いから譲り受ける、3つ目は保護施設から引き取ることだ。
僕らは保護施設から引き取ることにした。
ただ、そもそも猫を飼うと決めるまでに、なんだかんだで1年ぐらい要した気がする。
理由は、僕が日本にルーツがあることと、妻は台湾にルーツがあることだ。
今も昔も、何か決める時に度々脳裏をよぎるのは、有事だ。
以前、台湾留学をきっかけに台湾人と結婚したアメリカン・台湾人の女性のNew York Timesの記事を読んだ時の話を少ししたい。
When the Cost of Being Unmarried Is Too High
記事の内容をざっくり要約すると、
彼女は有事に備えて旦那さんとアメリカに行くことを提案したが、普段はどんな意見にもオープンな彼でもそれを頑なに断ったらしい。
それ以降彼女は、もしも何かが起きた時の答えをまだ出せずにいる。
僕も同じだ。出るわけがない。
というか、出す必要がないと思っている。起きたときに考えればいい。
日本人のクライシスマネジメントはすごい。もしもを想定して、本当にいろんな対策をあらかじめ立てている。
一方でそれが足かせとなって、何もできない病に陥ることも多々ある。
恐らく有事を想定したら、台湾で取るべきアクションは、「台湾から出る」、「台湾に住まない」、「猫を飼わない」、だろう。
はいはい、って感じだ。
“もしも” を考えたら何もできなくなる。
だから有事に関しては、考えはするけど極力考慮しないことにした。
猫を飼うことに関しても、有事のことは考えつつ、最終的にあまり考慮しないことにした。
次に考えたのは、命を預かることに対する責任だ。子どもでも猫でも一番簡単なのは、産まない/飼わないだ。
ただ、僕自身、責任を放棄する人間ではないから、正直「責任」に関してはそこまで考えなかった。
そうと決まれば、保護施設に連絡して面会のアポだ。
妻はいつの日か猫を飼うことを夢見て、Facebookでいろんな猫保護施設のページをフォローしていた。
台湾にはかなりの数のFacebook ページがあるらしい。
保護施設のページでは、連日新しく保護された猫の情報がアップされる。無責任に猫の飼育を放棄する人が後を絶たない。
僕らが猫を飼おうと決断したその日に、あるページで某猫の情報がアップされた。名前はフミーで、なんだか日本っぽい名前のトラ猫だった。
縁を感じたので、施設に連絡を入れて面会した。そして猫と対面。少し怯えた様子だったが別に問題はなかったし、僕と妻は基本、生後半年程度という条件以外は、どんな猫でもよかったので、施設側に受け入れたい希望を伝えた。
そして断られた😅
理由は、僕らがその当時未婚で、日本人と台湾人のカップルだったかららしい。
カップルが猫を引き取ると、別れた後に猫を捨てるケースが多いんだとか。
僕らは日本人と台湾人のカップルで、別れる可能性が高いと判断されたらしい。
まー文化や価値観の違いはあるからなー。別にこの保護施設の判断が間違っていたとは全然思わない。
ただ、不動産を借りる際にも指摘されなかった国際カップルのリスクにここで気付かされるとは思っていなかった。
基隆の保護猫

まさかの拒否連絡を受けた僕らだが、保護施設は他にもあるから、他を当たった。
すると、基隆の近くにある保護施設の情報がアップされた。まずは妻が猫の様子を見に行き、問題ないことを僕に伝え、後日、僕と妻で週末に見に行くことになった。
保護施設は思ったよりも劣悪な環境だった。
施設の運営者は、一人で無償で猫を連日のように引き取り、普段の仕事と並行して運営をしていた。
運営者いわく、これでもかというぐらい連日保護猫の連絡が来るらしく、明らかにキャパオーバーだが、自分が引き取らないと猫は路上に放たれてしまうため、できる限り引き取っているらしい。
連日育児放棄のように放棄される台湾の猫の話を聞いて、なんだか台湾の裏の顔を見た気がした。
僕は寄付をしてサポートしようにも、この人はNPOなど団体として運営していないため、寄付が難しいのが現状だ。
こうした施設は台湾にめちゃくちゃあるらしく、運営者の善意で成り立っている。
猫のツンとする匂いを嗅ぎ分け、ケージ越しに猫と対面した。生後6ヶ月だった。
断られた保護施設でも、一応僕らは生後半年程度という条件を設定していた。
妻が聞いた話によると、生まれたばかりの猫は懐きやすいが飼育のハードルが高く、大人になった猫は飼育はしやすいが懐くかどうかは飼い主次第らしい。
つまり、成長した猫や生まれたばかりの猫は、いずれも猫飼育上級者向けで、僕らのようなビギナーには生後半年ぐらいがいいらしい(間違っていたらすいません💦)。
僕らが対面した猫はその条件に合致していたし、運営者に引き取りたい旨を伝え、運営者は快諾した。
日台カップルだからといって断られることもなく…
名前はルナと名付けた。メス猫だったから女らしい名前をつけようとは思ったが、今となっては正直、なぜルナにしたかあまり覚えてない…
ちなみに提案したのは僕だ。
ただ、妻はその後5個ぐらいニックネームを発明して、今ではあまり”ルナ”と呼んでない😅
猫との生活
新しい家に来たばかりのルナは、とにかく怯えていた。まずは運営者の指示通りケージで飼育し、慣れてきた数日後に開放した。
開放後、ルナは基本的に四方が囲まれた棚の間にいることが多かった。怖かったのだろう。

振り返ると、一匹目の猫に対しては無知がゆえに結構申し訳ないことをした。
ルナは昔から今に至るまで、とにかくよく噛む。
僕らの都合で飼っているのに、以前ルナに思いっきり噛まれて、ついカッとなってしまうことが昔はあった(もちろん暴力は一切振るってない)。
ただ、猫は噛む生き物なんだし、猫に噛むなっていう方が間違っているときちんと悟り、以来どんなに痛くても怒ったりすることはない。
最近、台湾では結婚や子育てを諦め、猫を飼う人が台湾では増えている。
猫は大ブームだ。ペットOK の不動産も年々増えている。
その背景には、猫や動物は言うことを聞いて、自分のコントロール下に置きやすくて、お金がかからない、みたいなのはあると思う。
けれど自分の都合で飼うのに、ペットを不機嫌にしたからといってキレるのは甚だ間違っている。
ルナを通じてアンガーマネジメントを学び、かなり鍛えられた気がする。
たまに勝手にプラスチック関連のものを噛む姿を見て、ちょっと注意することはあるが、基本、僕は猫の奴隷だ。
ちなみに、プラスチック類を噛んだり、いじっちゃいけないものをいじっているのが僕にバレた時の「あ、やべ」みたいな顔を見ると、猫も悪いことが何か理解しているんじゃないかと思う😗
そして二匹目

その後、2022年に二匹目を飼うことにした。
前々から、ルナにとって一匹でいるよりも遊び相手が一匹いたほうがいいんじゃない?みたいな勝手な妄想から、二匹目を飼うことにした(そんな事はないのに…)。
ルナは割と気性が荒いから、この判断は一歩間違えれば大惨事になっていたかもしれない。
二匹目も同じ施設で、基本的には同じ条件で飼うことにしていたが、一つだけ条件を加えた。黒猫だ。
黒猫は縁起が良くないから避けられているという話を聞いて、それならぜひ黒猫を飼おうと思ったのがきっかけだ。
ルナの時同様に施設に会いに行って対面し、家に連れて帰った。名前はウニだ。あの海鮮のウニだ。ウニは妻の好物で、黒くて自分が好きだからという理由で妻がウニと名付けた。
家に連れて帰ってわかったのが、ウニがとんでもなく臭かったことだ。
保護施設が臭かった影響で、その匂いがまとわりつき、悪臭を放っていた。
当然その匂いはルナにも伝わり、家に着いた瞬間、ルナの警戒体制がマックスになる。ルナはずっとグルルルルと唸っていた。
あまりに臭いから嫌がるウニを強制的に浴室に連れ、シャワーをした。その後、においは消えたが、あの時のにおいは未だに鮮明に覚えている。
そしてお待ちかねのルナと対面。
この時に僕は大きなミスを犯した。猫は縄張り意識が強いので、通常新しい猫を引き受けるときは別々の空間で飼って、お互い慣れさせてから開放する。
僕らはその調査が甘く、ウニをケージに入れた後、ウニのケージがある僕の部屋のドアを開けておいてしまった。
その結果、ルナが四六時中僕の部屋に来てはウニにガンを飛ばし威嚇した。これはダメだと思い、すぐに調べて別々の空間で20日以上ウニを育てたが、あのときは悪いことをした。
その後、ウニは順調に成長し今に至る。
ウニは冬寒くなると僕か妻のベッドに来て、一緒に寝る可愛い一面もある。

ルナは絶対に来ない。ルナは写真を撮られるのも嫌いで、基本的にカメラ目線であることはない。昔どこかのセレブだったのだと思う。
後にわかったのが、ウニはびっくりするほどおとなしくてキレない子だということだ。
本当に怒らない。
もしもルナと同じくよくキレて、その度に噛むような気性が荒い猫だったら、度々流血ファイトが起きていた可能性もある。
本当にラッキーだと思う。
とは言え、ウニもちょっかいをかけられたらやり返す。
昔から今に至るまでちょくちょく喧嘩をし、ルナはそのたびに「ハーハー」言っているが、それでも毎日のように戯れあっている。
どうやら二匹の絆は固いっぽい。

ルナもウニもたまにシャワーをするのだが、二匹とも大のシャワー嫌いで、シャワーを始めるとひたすら鳴いている。
基本的に一匹ずつシャワーをするのだが、一方が浴室でミャーミャー鳴いていると、もう一方が必ず浴室の外でそれに呼応して鳴く。
まるで「今助けに行く!待ってろよ」と言わんばかりの声で鳴き、僕と妻は完全に悪役だ。
猫を飼ったことによって確かにいくらか自由を失ったことは確かだが、それ以上のものを猫からはもらっている。
会社では、役職柄どうしても上の立場として振る舞う僕も、家に帰れば僕は猫の下僕と化す。
今日も喜んで猫の下僕になる。