【海外日系企業の理想と現実】現実を認識する努力の放棄

みなさんこんにちは、applemint代表の佐藤です。

みなさんは最近、理想と現実のギャップにぶち当たった経験はありますか?

めっちゃ期待していたレストランがイマイチだった、とかでもいいです🤮

通常、期待値と実体験のギャップが大きいと人は不満を感じるので、企業はそのギャップを埋めようと頑張ります。

例えば高価なブランド品って多くの人は価格と品質が必ずしもイコールではないことを知ってますよね?

理論上はお金に見合った価値を得られないことが多いはずなのに、ブランド品購入者はそんなにガッカリしていません。

これはブランドが期待値と現実を埋める努力をしているからです👍

なので、企業も人も、まずは自分の現在地を理解することが出発点だと僕は思います。現在地と人々の期待値を理解できれば、その穴を埋める対策を立てられるからです。

ただ、僕らってなかなか現実を直視したくないですよね…
今日はそんな話をしたいと思います。

某日系ホテルin バンコク

みなさんは海外でホテルを予約する際、まず何をしますか?

僕の勝手な予想ですが、おそらく8〜9割の方は、なんらかの「調査/検索」をすると思います。

Google で調べるとか、AI に聞くとかっす。

そして残りの1〜2割の人は、いつも利用するホテル(マリオット系列やヒルトン系列など)を選ぶのではないかと思います。

マリオットやヒルトン系列のホテルは世界中にあって、実際にユーザーに「世界中にある」と思わせているのは地味にすごいことだと思ってます。

そのおかげでマリオット/ヒルトンユーザーは、海外へ行く際、まずマリオットやヒルトン系列のどこかのホテルを想起して検索しています。

これってすげーことです👍

例えば僕はドーミーインユーザーですが、まさかアメリカにドーミーインがあるとは思わないので、アメリカに旅行するときにドーミーインを検索しません(あ、あったらすいません🙇‍♀️)

じゃー他の日系のホテルはどうかと言うと、同じだと思います。

つまり、多くの人は海外に行ったときに、日本のホテル名で探さない、ということです(探してたらすみません🙇)

井の中の蛙

残念ながらそうは思っていないのが、某日系ホテルです☝️☝️

今、僕はバンコクにある某日系ホテルに台湾人を集客しようと提案をしているのですが、この提案は苦戦しそうな気がしています。

理由は、僕らが名もない中小企業だからとかではなく、相手のプライドが高いからです👊

現在、日本からタイへの旅行客はどんどん減っていて、AIの調査結果によると2024年は80万人でした。実はこの数字、台湾からタイへの観光客とほぼ同じなんですよね…

日本人頑張れよと思ったと同時に、台湾人すげーなって思いました😎

タイ人も、もはや日本人をあまり相手にしなくなってきています。

そんな中、タイに進出した一部の日系ホテルは頼みの綱だった日本人客が減っているので、困っているわけです。

そこで僕は「じゃあ台湾人を集客すればいいじゃん」と考えました。

勝算はあります。
僕らはすでにインバウンド向けに日本のホテルの台湾人集客をサポートしてきていますし、毎年500〜600万人の台湾人が日本へ行っているので、台湾人にとって日本のホテルは信頼できる存在です。

問題は、バンコクに行く台湾人がホテルを予約するとき、そもそも日系ホテルを検索しているかってことです。

詳しく調べてはいませんが、十中八九調べてないでしょう。
だって「まさか日本のホテルがある」なんてイメージがないじゃないですか?僕はないです😅

バンコクでホテルと言ったら、僕の中で浮かぶのはマリオット/ヒルトン系とバンヤンツリーぐらいです。

つまり、日系ホテルが認識しないといけないのは「まず台湾人に日本のホテルがバンコクにあることを周知する必要がある」という現実です。

これを知り合いを通じて日本のホテルに伝えようとしたのですが、知り合いからはストップがかかりました🖐️

「いや、佐藤さんやめた方がいい。相手はプライドが高いから、それを言ったら気分を害すると思う」

あ、なーるほど…なるほど、なるほど

まぁいいんですけど、こういう話って日系の家電メーカーや携帯電話メーカーでも聞いたことないですか?

自分達すごいと思っていたら、いつの間にかぶち抜かれてたってやつです。

日本の多くのメーカーが海外で勝てなくなったのは、こういうことなのかもしれませんね😅

イベント開催のリアル

うちのスタッフがイベントを開催したがっています✌️

どうやらドイツのビールを輸入している業者と知り合い、その業者がうちのスタッフに「イベントをやりたいな…」とポロッと相談したのがきっかけで、オクトーバーフェス的なイベントを計画しているようです。

挑戦自体は素晴らしいのですが、ちょっと楽観的に考えていて、「やっぱりイベントって実際にやってみないと現実は見えないよなー」と思っています😅

まずお金について。

うちのスタッフは今回 100人規模のイベントを企画/提案しているらしく、ざっと試算しただけでも20万台湾ドル(約100万円)はかかりそうです。

主催者はリタイア間近で「お金は気にしていない」と言うものの、だからといって20万台湾ドルをポンと出すイメージは正直できません。

僕はこれまで「損をすることが大嫌いなお金持ち」をたくさん見てきました。超がつく金持ちの人が、あるとき僕に自身が経営するバーでAV女優のDJを起用したいと言ったので、ギャラが70万円と伝えたら、即NOと言いました😅

お金持ちってそんな感じです。

人間は損失回避の生き物なので、今回の主催者も恐らく少なくともプラマイゼロは狙っているはずです。

そこでうちのスタッフにマネタイズを聞いたら、収益は「お酒の販売」だそうで、入場料は考えていないとのこと。

あ、なるほど!

つまり、ビール1杯150台湾ドルとすると、20万台湾ドルを売り上げるには……
1,333杯必要です👊👊

100人規模のイベントなら一人あたり13杯🍺🍺🍺
アルコールが弱い僕が参加したら確実に死にますね😅

しかもこれは”売上”の話で、利益の話ではないです。
仕入れコストを含めるとプラマイゼロにするには2,000杯ぐらい売らないといけないでしょう。

次に集客。

うちのスタッフは「私の友達を動員すれば30人は来てくれる!」と言っていますが、うーんってところです😅

近年、イベント参加の基準は「お金」より「時間」です。
例えば最近は娯楽の選択肢が増えたので、「イベントに2時間行く」のと「家でNetflixを2時間見る」のが比較され、その結果後者を選ぶ人も多いわけです。

果たして本当に友達が全員来てくれるのか…

さらに100人の集客を簡単に考えているようですが、100人を集めるってマジで難しいです….

でもこれって実際にイベントをやった人にしか分からないんですよね。

現実を認識する方法:涙の数だけ強くなれるよ

じゃあどうやって現実を認識するかというと、もう失敗するしかないと思います😭

僕がいろんな人の挑戦に対して、やや無責任に「いいんじゃない」と言う理由は、どうせ言っても分からないんだから、さっさと失敗してもらいたいと思っているからです。

厄介なのは、例えば日系ホテルの例のように、プライドが邪魔をして、さらに失敗を恐れるあまり、彼らにとって「何もしないこと」が最良の選択肢になってしまうことです。

企業も従業員に失敗をさせて学ばせるためにあるわけじゃないですからね…

ひとまずイベントの話は進めてもらいますが、また何かあれば進捗を書きますね!

個人的に、来年醤油のイベントは開こうと思っています!

以上、applemint 代表佐藤からでした!