【観光業従事者必見】海外の人が求めているのはクルーズ船的なサービスかもしれない
みなさんこんにちは、applemint 代表の佐藤 (@slamdunk772) です。
今日は世界の人が求めているのはクルーズ船的なサービスかもしれない、というテーマでお話をしたいと思います。
僕はカタール・ドーハでの1週間の滞在を終え、11月28日の深夜に台湾に戻ってきました。
前回のブログで書きましたが、今回カタールに訪問するにあたって、ワールドカップのチケットが当たった2022年4月時点では泊まる宿が本当にありませんでした。
厳密にはありましたが、リーズナブルな価格で残っていたのは連日劣悪な宿泊環境と報道されているファンビレッジや、交通アクセスが不便なアパートとかでした。
そこで今回は劣悪な環境に泊まるぐらいなら少しお金をかけて、クルーズ船に泊まろうと思い、クルーズ船に宿泊を決めました。
クルーズ船には本当に多くの外国人観光客がいた事もあり、彼らが宿泊先に対して何を求めているのか垣間見れた気がします。
そもそも宿泊先に外国人しかいない状況なんて滅多にありません。
なので、今回のブログでは、僕がクルーズ船で見た、外国人が宿泊先に求めているであろうニーズについてお話をしたいと思います。
沖縄やリゾート地で観光業に従事する人などで、今後アジア以外の国から集客したい方は参考になるかなと思っています。
そんなにドンピシャで観光従事者が読むとは思いませんが😅…
外国人が考えるバカンスとは?
カタールワールドカップではファンビレッジの宿泊環境が最悪らしいですが、クルーズ船は最高でした。少なくともクルーズ船に宿泊した観光客の満足度は、僕を含め皆高かったと思います。
僕がそう考える理由(仮説)は3つあります:
- クルーズ船がヨーロッパの企業によって運営されていた
- 日光浴が出来た
- 西洋の食事が出来た
結論を言うと、クルーズ船を運営していたのが、ヨーロッパの企業で、その企業が西洋式のサービスを提供していたのが大きかったと思っています。
前途のブログでも書きましたが、日本式のサービスは初めから色々な事を想定してそれに備えて準備をします。
それに対して西洋式のサービスは、どちらかと言うと必要最低限準備して、客の要望に合わせて対応するものだと僕は思っています。
今回僕がカタールで宿泊したクルーズ船の顧客の大半は、サッカー好きな西洋の国々の人でした。
南米、中南米も割といました。
そんな彼らを長年顧客として対応しているのが、ヨーロッパのクルーズ船の企業 MSC です。そりゃーうまく対応できます。
逆に、今回カタールに星野リゾートみたいな日系のホテルがあって、そこにサッカー好きの外国人が泊まっていたら少し危なかったと思っています。
何か文献を読んだわけではありませんが、ヨーロッパのように様々な国が隣り合わせで、言語もニーズも十人十色な場所では、日本のように相手のニーズを汲み取るのは無理だと思っています。
また、日本や東アジアは一般にハイコンテクストカルチャーと言われ、抽象的な表現を好む一方で、ヨーロッパの国々は具体的な表現を好む傾向にあります。
従って彼らはサービス提供者にしばしば具体的な要求を口にします。
クルーズ船のスタッフはそんな要求に対して、英語やスペイン語で柔軟に対応し、側から見ていてすごいなーと思ってました。
日光浴を馬鹿にしてはいけない
今回のクルーズ船滞在で印象深かったのが、外国人が如何に”日光”が好きかという事です。
僕が宿泊したクルーズ船は、最上階のデッキにプールやジャグジーがあり、夜は巨大モニターで試合が放送されていました。
僕はクルーズ船に滞在中は毎朝9-10時にジムへ行き、その後10-11時にデッキのプールで水泳を楽しんでいました。
その時に気づいたのが、実に多くの白人の観光客が朝から日光浴を楽しんでいたという事です。彼らはカタール・ドーハ市内の観光よりも、日光浴を楽しんでいた事を発見できたのは大きな収穫でした。
今回のカタールでは、宿泊客の大半はワールドカップ観戦がメインで、ドーハ市内の観光や日光浴は、言わばオプションのようなものです。つまりクルーズ船の観光客は色んなオプションがある中で、日光浴を選んでいた人が割といたという事です。
でもよくよく考えると見ると、11月から12月にかけて日光浴ができるのは一部の人には特権です。
ヨーロッパは今ダウンジャケットが必要な暗い寒いですし、イギリスなんてそもそも夏でも雨ばかりで、日光浴が出来る期間はそもそも限られています。
日本や東アジアでは日焼けしない事が良いと思われる傾向があり、日光浴はそんなにポピュラーな選択肢ではないと思います。しかし西洋人からみると日光浴は贅沢なわけです。
僕らが普段当たり前に感じている “日光” が、一部の外国人には11月は市内観光よりも優先したいアクティビティであった事は興味深い事実です。
西洋の食事
日本に来た観光客の全てが日本食を食べたいかと言うと、そうではないでしょう。台湾も同じで、台湾に来た観光客やビジネスマン全てが台湾の食事を取りたいかと言うと、そうではないでしょう。
同じ事は西洋の人にも言えます。カタールに来た観光客の多くが、カタールの食事を取りたいかと言うとそうではないでしょう。
クルーズ内では一部中東の食事が用意されましたが、基本的にビュッフェやレストランは西洋式の食事が中心でした。
これが多くの観光客には良かった気がしています。ワールドカップを観戦する場合、少なくとも1週間以上の長期間の旅になるので、どうしても自分の好きな食べ物を食べたくなるはずです。
日本に来る観光客に日本食がウケているのは、現時点で日本の観光客の大半が “アジア人” だからだと思っています。
これが西洋人だと、トランプ氏みたいに日本に来たのにハンバーガーが食べたい人が結構出てくると思います。
くれぐれもこれは日本食に対してリスペクトをしていないとかそういう意味ではなく、単に一部の外国人は旅行先で自分が慣れ親しんだ食べ物を食べたいと言うことです。
日本のホテルや宿泊地も、今後は外国人観光客増加に合わせて食事の修正が必要かもしれません。
日本は良い意味でも悪い意味でも国内市場でビジネスが回るのが悩ましいところです。
コミュニケーションが大好き
最後に、外国人観光客の多くはどうやら他の国の人とコミュニケーションすることが好きそうだ、というお話をします。ワールドカップ期間中は実に多くの人に話しかけれました。海外では、こうしたグリーティングはよくあります。
僕も、街中でワールドカップ公式キャラの帽子をつけていた人に、「その帽子可愛いね。どこで買ったの?」とコミュニケーションしたりしました。
外国人観光客の全てがこうしたコミュニケーションを好んでいるわけではないでしょうが、台湾でも外国人がこうして積極的に他の人とコミュニケーションをする話はよく聞きます。
今 applemint にインターンで来ている、台湾の大学に通う日本人の大学生は、外国人がよく集まる Triangle というクラブで外国人によく話しかけられると言います。
日本へ行く観光客の大半が今後も台湾や中国、韓国からであることは変わらないでしょう。東アジアの人たちは他者とのコミュニケーションよりもプライバシーを重視することは往々にあるでしょう。
その一方で、西洋やアメリカの顧客を今後相手にする場合、今回のクルーズ船のように観光客がコミュニケーションを取れる場を確保するのも大事になると思っています。
以上 applemint 代表佐藤から、カタールでクルーズ船に宿泊してみて思った、西洋人が観光に求めるニースでした!
このブログを通して僕の気づきがみなさんの参考になれば幸いです。