サービス提供者の”面倒”と顧客の”ニーズ”の交わる点を探す
みなさんこんにちは、applemint 代表の佐藤 (@slamdunk772) です。
今日は台湾で起業や事業を考えている人に対して、起業とか新規事業って深く考えたり、会議室で色々話をするより、足を使って色んな人に会った方がいいよね?的な話をします。
正直この手の内容のブログは僕じゃなくてもいいと思うのですが、ちょうどいい実例に遭遇したのでご紹介します。
結論を先に言うと、新規事業や起業は、既存のサービスの中で、サービス提供者が面倒でしたくないけど、お客様が求めている事をするとチャンスがあるというお話です。
ここだけ読んでもよくわからないと思うので、今日は実例をご紹介します。台湾で事業を始めたい人や起業したい人は必見な内容です。
それでは、Let’s go!
広告代理店の失敗から見る顧客のニーズ
僕は先日、某日系企業と商談をしました。そこで分かったのは、どうやらその日系企業さんが、お付き合いをしている広告代理店さんに不満を抱いているという事です。
その理由は何かと言うと、報告です。
どうやらこの日系企業さんとお付き合いをしている広告代理店さんは、毎月簡単な報告書を出すだけで、3ヶ月が過ぎた頃についに駐在員の方がブチ切れたというお話です。
ここで重要なのが、顧客(某日系企業さん)は広告代理店に対して、報告書だけではなく、面と向かった”報告”をサービスとして求めている事です。
その一方で、広告代理店は、顧客対応や報告を面倒だと思っています。
「今時Zoom やスプレッドシートあるから全部オンラインでやった方が効率がいいじゃん!」と思っている広告代理店は少なくないでしょう。
顧客のもとへ報告に行くと移動時間が取られますし、報告している間は仕事ができません。
広告代理店の誰もが、顧客との会議や報告をしたくないと思っている事でしょう。しかし顧客は報告という”会議”を求めてます。
新規事業や起業はこういう状況がを見出す事が大事だと思っています。
台湾に進出をすると、必ずといっていいほど、競合が既にいます。その競合の商品やサービスを利用している企業/消費者に、「何が問題か?」とヒアリングするのが鍵だと思っています。
ただし、ヒアリングは高度なコミュニケーション能力が必要とされます。直接聞くのは超NGです。相手をいい気持ちにさせて自然に話の流れで聞き出す必要があります。
また、こういう話はオンラインでは聞けない場合が多いです。だから現地に赴く必要があると僕は思っています。
僕は来週タイに行ってヒアリングをしてきます。こういうのはフットワークが軽い人が勝ちます。
広告代理店は典型的なサービス業
広告代理店はマーケティングやクリエイティブのお手伝いをしますが、本業は仲介業です。仲介業はゴリゴリのサービス業です。
これを理解しない経営者や、理解していても従業員に伝えない広告代理店は意外にいます。
保険の営業や、不動産の営業は一日中外に出ていたりしますよね?広告代理店の営業職やアカウント職(顧客管理)も主な仕事は顧客に会う事だと思っています。
しかしそうすると、仕事する時間は削られ残業が増えます。つまり、広告代理店の経営者の課題の一つは、「顧客と会うことで顧客満足を維持する」という理想を実現するために、如何に日々の業務を効率化する事になるでしょう。
この辺は僕らもまだまだで、日々試行錯誤しています。参考までにどんなしているか箇条書きします。
- Asana を使ったタスク管理
- 会議時間をデフォルトで30分 (1時間にすると、1時間使おうとする)
- 朝11時までの時間を”集中時間”としてメールやSlack禁止
- その他各種自動化
顧客と接触出来る部分は特に力を入れる
レストランに行くと、よく大将やオーナーがキッチンにこもって料理をしている店がありますよね?
僕はあの手のお店はミシュランでも取らない限り今後は生き残れないと思ってます。お店の味に差がなくなった時、集客に影響するのは人間力です。
いつまでもオーナーがキッチンにこもっているお店では、顧客との対話は生まれません。以前ポッドキャストで nol という東京にあるフレンチレストランの話をしましたが、nol ではキッチンからシェフが出て来て料理の説明をする場面がありました。
少し声が小さくて聞き取りづらかったですが…(っていうかマスク止めましょう 笑)
サービス業は人と接してなんぼだと僕は思ってます。中国で完全無人のコンビニを導入したら逆に売上が下がったのは、人が必ずしもお店に効率だけを求めていない証拠ではないでしょうか?
Amazon に以前買収された、オンラインで靴を販売する Zappos は、コールセンターのスタッフに力を入れていた事で有名です。理由は、コールセンターのスタッフが一番顧客と接触するからです。
歌手でタレントのガクトはコンサートをする時、必ずグッズ販売やセキュリティスタッフの前に顔を出し激励します。
なぜなら彼らが顧客と一番接触するからです。
面倒だけど自分達のサービスにダイレクトに影響することは結構あります。人は楽をしたい生き物なので、どこかで面倒を回避しようとします。
そこに、顧客とサービス提供者の間でギャップが生まれます。僕らはこのギャップを利用しています。
以上 applemint 代表佐藤からでした!