【台湾で身につける交渉スキル】交渉は場数を踏むしかない
こんにちは、applemint 代表の佐藤です😎
今日は「交渉」についてお話をしたいと思います。台湾で会社を経営すると、本当に交渉の連続です。オフィスの家賃や賃貸条件の交渉、会社間の契約の交渉、従業員との賃金交渉などなど、本当に交渉ばかりしてます。
この交渉ですが、慣れるには「場数を踏むしかない」と僕は思っています。残念な事に、若手社員や普通の社員は、普段意識的に交渉をしないと、いざ交渉になった時に必ず弱腰になります。
意識的に交渉をするとはどういう意味かと言うと、例えば台北市で服がいっぱい売ってある五分舖に行って服を買う時に交渉をするとか、家賃交渉をするとか、上司に対して賃金アップを交渉するとか、誰かに何かをお願いするとかです。
日頃からのお願いを「交渉」と意識し、場数を踏むといいと思います。そうでないと、会社員の方は 40代で課長レベルぐらいにならないと交渉をする機会なんて来ません。
僕は台湾に来てから、大分交渉慣れしてきたと思います。ただし、まだまだ交渉がうまいわけではありません。
今日は僕が交渉の時に意識をしている事や、僕が台湾で実際に目の当たりにしたリアルな交渉ケースや、耳にした交渉事例をご紹介したいと思います。
前提:台湾の交渉は無茶苦茶な要求から始まる
以前 Twitter でどなたかが、 TSMC が熊本県に対して、工場の近くに高級台湾料理店を作るように要求したと書いてました。
本当かどうかはさておき、こんな要求に付き合う必要はないと僕は思っています。この要求に応えなかったからと言って、工場を建てる計画に支障が出ることはありません。
というか、近所の方が台湾人を狙った台湾料理屋さんを出すと思います(苦笑)
いずれにせよ、台湾の交渉は通常結構めちゃくちゃな要求からスタートします。こちらが20万元と見積もりをすれば、向こうは10万元と言ってあわよくば間の15万元で交渉を成立させようとするのは日常茶飯事です。
では、このような環境でどのように交渉に臨めばいいでしょうか?
その1. 強い態度で臨む
まず、僕がみなさんにお伝えしたいのが、台湾で交渉をする時は、弱みを見せてはいけないという事です。台湾にいる日本の方は中国語も英語も不得意な人が多く、どちらの言語で交渉になっても、言語が不得意な事を理由に弱みを見せてしまうケースがよくあります。
僕は実際に、とある駐在員の交渉現場に居合わせた事があったのですが、彼は台湾人の英語にひるみ、結局交渉の場で 「OK」 ばかり言ってました。これではダメです。
幸い、僕は中国語も英語も出来るので、毅然とした態度で交渉に臨めますが、言語が喋れる事は僕に”自信”を与えているだけで、片言の単語でも毅然とした態度は取れます。
例えば、最近メディアに引っ張りだこの、成田悠輔さんの英語のプレゼンを見た事がありますか?
決していい発音ではありませんが、本当に毅然とした態度で話しています。そのせいか、彼のプレゼンは英語でも日本語でも妙に説得力があります。「声がいい」というのもあるでしょうが、僕は態度 (attitude) が理由じゃないかな?と思っています。
僕は長い海外生活で、「態度」(attitude) の重要性を本当に勉強しました。
その2. 相手を気持ち良くする
次に僕が台湾で交渉する時に意識しているのは、相手の事を気持ち良くさせる事です。一見、前章で述べた「毅然とした態度」と相反するようですが、これはアメとムチという意味です。
台湾で家賃交渉をした時の話をご紹介します。前のオフィスを借りた時、僕らは幸いにも大家さんと直接交渉をする事ができました。
台湾のオフィスは不動産を介す場合が、ほとんどです。
僕は大家さんとのファーストコンタクトの時に、とにかく相手を気持ち良くする事に努めました。
大家さんと話していくうちに、娘さんが早稲田大学に留学していたと聞いた時は、「うわぁ、娘さんめっちゃすごいですね!(太厲害了吧)」と言ったり、相手が度々日本旅行をしていると聞いた時は、「僕より日本詳しいですね!(你怎麼這麼對日本熟悉!?你比我熟悉耶)」とか言ってました😎
そうして相手を気持ち良くさせて、いざ交渉になった時に、僕は毅然とした態度で臨みました。その結果、オフィスの契約期間を2年から1年に短縮することに成功し、家賃も下げる事に成功しました。
元々1年で出たかったものの、契約書には2年の縛りがあった。
その3. Taker と Giver を見極める
最後に Taker と Giver を見極めて交渉をする事の大事さをお伝えしたいと思います。世の中には利己的な Taker と、win-winを築こうとする Giver がいます。
taker は特徴として、すぐにディスカウントを要求します。そのほかにも色々特徴がありますが、taker の特徴について興味のある方は、以下のブログをご覧ください:
ちなみに、日本も台湾も Taker は大企業な場合がほとんどです…
しかし本当に稀に Giver の企業がいます。僕は Giver を見つけたら、とことん妥協をします。要するに相手の条件をのむという事です。Giver は give しようとするので、言い方悪いですが、こちらが妥協して向こうに借りを作った方がいいです。
例えば僕らの顧問弁護士さんはものすごく Giver なのですが、僕らは彼らに交渉で要求をした事は一度もありません。なんなら彼らだけ例外的に支払いを速くしたり、やれる事をやります。
その結果、彼らはおまけで僕らの色んな相談に気軽に乗ってくれます。
現在僕らのオフィスの内装を担当している方も Giver なので、僕らはすぐに内装費のデポジットをお支払いして、相手に対して誠意を見せました。
その結果ですが、相手の方はめちゃくちゃ真剣に真摯に内装に取り組んで下さってます。Taker と Giver の見極めは場数が必要ですが、Taker に共通しているのは、「お金」を主語で話す事です。
「お金が儲かる」、「お金が足りない」、「お金がかかる」など、お金の話が最初に来る人はTaker なので要注意だと、僕は個人的に思っています。
以上 applemint 代表佐藤からでした!